急速に改善が進む高校・中学新卒者の求人・求職状況
昨日、厚生労働省より「平成18年3月高校・中学新卒者の求人・求職状況(平成17年7月末現在)」が発表され、来春卒業を予定する高校生の求人倍率は0.90倍となり、前年同期を0.21ポイントも上回る結果になることが分かりました。求人数は187,660人で、前年同期に比べ28.4%増加、これに対し求職者数は207,737人で、前年同期に比べ1.8%減少となっています。(左グラフは「高校新卒者の求人・求職状況の推移(7月末現在)」)
求人倍率を地域別に見ると、トップは東京の3.65倍、次いで愛知の2.05倍、大阪の1.86倍、広島の1.5倍、静岡の1.3倍となっています。これに対し最も低いのは青森の0.13倍、次いで高知の0.14倍、鹿児島の0.2倍、長崎の0.22倍、宮崎の0.23倍となり、かなりの地域格差があることが分かります。
またどのような職種での求人が多くなっている点(平成17年3月卒業データ)を見ると、生産工程・労務が前年比22.4%増の127,832人となっており、他職種に比べて群を抜いています。これは好調な自動車産業からの求人が増えていることが主要因であると思われますが、2007年問題を抱える企業がその労働力確保を高卒に求めているということもあるのではないでしょうか。いずれにしても、従来から指摘されている若年労働者の確保の問題が大きくクローズアップされようとしています。
(大津章敬)