最近の人事労務用語「EAP」とは?
最近の人事労務管理で注目されているキーワードのひとつとして「EAP」があります。EAPとは「Employee Assistance Program」の略称であり、「従業員援助(支援)プログラム」と訳されています。国際EAP学会はこのキーワードを以下のように定義付けています(日本EAP協会のホームページより抜粋)。
(EAPは)以下の2点を援助するために作られた職場にあるプログラムである。
1.職場組織が生産性に関連する問題を提議する。
2.社員であるクライアントが健康、結婚、家族、経済的、アルコール、ドラッグ、法的、感情的、ストレス等の仕事上のパフォーマンスに影響を与えうる個人的問題を見つけ、解決する。」
もともとEAPはアメリカのアルコール依存対策として広まりました。その後、取り組みの広まりと共に、このプログラムがカバーする範囲はより深く、広くなりました。現在では生産性低下要因全般について、カウンセリング等を通じ解決することを目的としています。アメリカでの導入はかなり進んでおり、フォーチュントップ500の企業のうち、実に90%の企業がEAPを導入しているそうです。
日本では、近年問題となっているメンタルヘルス対策、福利厚生メニューの一つとして注目を浴び始めていますが、今後は本来の目的の生産性の向上に目を向け、多くの企業がこのプログラムの導入を進めていくことになるでしょう。当blogでは今後、EAPについて定期的に取り上げ、その内容についてご紹介していくことにします。
(宮武貴美)