厚生労働省検討会議 短時間正社員制度導入に向けた報告書案を作成

 本日の日本経済新聞のトップに「パート残業に割増賃金~2007年新法案厚労省検討 5~10%を義務化」という記事が掲載され、驚かれた方も少なくないでしょう。これは昨日開催された第18回多様就業型ワークシェアリング制度導入実務検討会議で示された報告書案の内容の一部について報道されたものです。この会議は 学習院大学経済学部経営学科の今野教授を座長に、労使および学識経験者で構成され、多様な働き方を推進する多様就業型ワークシェアリングの普及促進を図るため、制度導入に当たって生じうる問題点およびそれに対する解決策を提示することを目的として開催されています。


 今日の日経の報道ではパートタイマーについて、法定労働時間内でも所定労働時間を超えた部分を時間外労働と位置づけ、5~10%の割増賃金の支給を行うよう義務付けるという報道がなされていましたが、それ以外にも賞与や退職金、会社の施設利用といった福利厚生などにまで踏み込んだ内容になっているようです。詳細は近く厚生労働省ホームページに掲載される予定ですので、注目をしておきたいところです。


 それにしても時間外の問題だけ取り上げても、正社員の法定内残業との整合性やパートタイマーの定義など、問題となりそうな点は多く、またそもそも法律で規制するのではなく契約の原則に立ち返り、労使で個別に条件交渉をすべきという議論もあるでしょうから、今後かなりの反対意見などが出されることになるでしょう。労働契約法といい、今後は労働基準法一辺倒であった労働法制が大きく変わろうとしています。


(大津章敬)