年末調整における生損保保険料控除証明書類の取扱い

 本日は、年末調整における注意点の第2回目として、生損保の保険料控除についてお話しましょう。


 年末調整では所得から生命保険料や損害保険料の所得控除を行うことができます。この控除については、一定の場合を除き、証明書類の提出が必要となりますが、この証明書類としては10月後半から11月前半に各保険会社から送付される証明書を利用することが通常です。しかし実際には、この証明書だけではなく「保険会社や郵便局などが発行した保険料などの領収書や、支払った生命保険料の金額と保険契約者などの氏名を証明するために特に発行した書類」も証明書類として扱うことができます。このため、生命保険料等の領収書の添付でも、要件が揃っている場合には、証明書類として取り扱い、控除することができます。


 ここで特に注意すべき点は、損害保険料の領収書です。あまり知られていないようですが、短期の海外旅行の際に加入した傷害保険等も控除対象となる損害保険に該当することがあります。この場合については、改めて保険会社から証明書が送付されるケースは極めて少ないため、領収書をもって保険料控除の証明書として活用することになります。


 年末調整はあくまでも申告に基づいて行われるものですので、会社として積極的な周知までは不要ですが、提出された際には控除対象の保険か否かを判断し、誤りのないように処理することが求められます。


(宮武貴美)