初めからすべての事柄を覚えられるはずがない

社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ! 株式会社名南経営では、8月10日に香取貴信氏を講師にお迎えし、「私の体験したディズニーマジック・感動を呼ぶサービス!!」と題するセミナーを開催します。そこでこれにあわせ、改めて講師著書「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」を読み返してみました。


 この本は2002年に初版が発行され、当時は多くの書店で、この白色の本が平積みになっていたのを思い出します。当時の私は大学を卒業して、社会人になったばかり。まだ社会人の「しゃ」の字も分からなかったようなとき、この本を手に取ったのですが、サービスというものを改めて考えさせられ、実際にそのサービスを確かめるために名古屋からわざわざディズニーランドを訪れ、これまでとは違う視点でディズニーランドを楽しんだことを思い出します。それから4年、当社が講師として香取氏をお招きすることに、何か運命的なものを感じています。


 今回、久し振りにこの本を読み返してみて、労使コミュニケーションにおいて「初めからすべての事柄を覚えられるはずがない」ということに改めて、はっと気付かされました。日頃、上司が部下に対して指示をする際には、上司はその内容が100%伝わると当然に思っています。しかし、伝える相手はキャリアも知識も少ない部下であるため、現実は上司が自分のペースで話をしても、なかなかすべてが伝わるものではありません。しかし、自分の話がすべて伝わるものと思って話をしていた上司は、話の内容を十分に理解していない部下に対して苛立ちを覚えます。一方、その雰囲気を感じた部下は萎縮してしまい、不明点をそれ以上確認することができず、結果的に指示された仕事が中途半端に終わってしまいがちです。それが更に上司の怒りを増長させてしまうという完全な悪循環にはまってしまうという光景が目に浮かびました。


 「部下は初めからすべての事柄を覚えられるはずがない」。改めて言われると当たり前のことですが、日頃のコミュニケーションにおいてはこれを忘れてしまうことが多いようです。部下に指示を出す際には、こちらの指示を一度で完全に理解させることは難しいと考え、相手に合わせて話をするという意識を持つくらいに思う方が、円滑なコミュニケーションが図られるのだと思います。


 同書は基本的にサービスやホスピタリティの重要性を説いているものですが、同時に部下指導や労使コミュニケーションの面でも大きなヒントを与えてくれます。サービス業や小売業、医療福祉業など「人と接するのが仕事の一部」という方にはもちろんですが、それ以外の職種のみなさんにとっても参考になるであろう内容が多く、どなたでも一読の価値があると思います。宣伝のようにもなってしまいますが、8月10日のセミナーもまだ受付をしておりますので、以下より是非お申し込み頂ければと思います。当日、みなさんと会場でお会いすることを楽しみにしております。



参考リンク
8月10日セミナー「私の体験したディズニーマジック・感動を呼ぶサービス!!」受付
https://www.roumu.com/seminar/seminar20060810.html
香取貴信「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった―そうか、「働くこと」「教えること」「本当のサービス」ってこういうことなんだ!」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4769607695/roumucom-22


(志治英樹)


当社ホームページ「労務ドットコム」にもアクセスをお待ちしています。