キャリアの停滞
仕事をしていると、そのどこかで「伸び悩み」という壁にぶつかります。同じ仕事をしていても個人差があるため、いつ誰が壁にぶつかるのか予測をすることは困難ですが、キャリアの停滞は社員個人の問題であると同時に会社の問題でもあります。そこで今回はキャリア停滞への支援策を2つお話したいと思います。
マンネリ化への注意
そもそもなぜキャリアは停滞するのでしょうか。その原因のうち、身近なものとして「仕事のマンネリ化」が考えられます。仕事にある程度慣れてくると、自分のペースでスムーズに仕事を運ぶことができるようになります。人間誰しも楽な方へ流れていく傾向があり、新しいものや難しいものにチャレンジすることをついつい避けてしまいがちで、これが仕事のマンネリ化に繋がります。またマンネリ化は個人の仕事内容だけでなく、仕事がスムーズに進む意思疎通の取れたメンバーとの仕事ばかりになってしまう「組織体制のマンネリ化」という問題も指摘できるでしょう。このように日々の仕事が何の変化もなく流れていくことが、社員の成長を止める原因にもなります。会社はマンネリ化していないだろうかと、社員と社内を見回してみることが重要ではないでしょうか。
相談者の存在
キャリアについて考えるきっかけとなるのは、どんな時でしょうか。同僚や上司、友人、家族との会話がきっかけになって考えることが多いのではないでしょうか。そして、これらの人たちが同時に相談相手にもなります。大企業では社内にキャリア開発の担当部署を設けることが最近増えていますが、多くの中小企業ではそれは難しいのが現状です。しかし、そのような部署の設置は無理としても、人事評価における面談や自己申告制度といった社内で相談できる機会や、人事労務担当者による相談窓口などを設けることは十分に可能です。このようにまずは社内に受け皿をつくることがスタートになるのではないでしょうか。
社員の伸び悩みを防ぎ、その成長を支援することは会社にとって非常に重要であるため、社員のキャリアの停滞を少しでも遅くさせる工夫が求められています。それでは次回は「キャリアストレス」を紹介していきたいと思います。お楽しみに。
(福間みゆき)
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