新入社員が描く理想の上司と、実際の上司の意識はこんなにズレている

新入社員が描く理想の上司と、実際の上司の意識はこんなにズレている 先日、社団法人日本能率協会より、2007年度 新入社員「会社や社会に対する意識調査」結果が発表されました。今年の新入社員の気質を知るには面白い資料になっていますが、その中でも特に面白いのが、新入社員と上司に上司像を尋ねた項目。新入社員には「あなたが理想的だと思うのはどのような上司や先輩ですか」という質問、また上司・先輩には「新入社員(若手社員)への日頃の対応・指導のしかたにおいて、ご自身に近いものはどれですか」という質問をした結果ですが、双方の想いが完全にすれ違っている状態が明確に出ています。


 まず上司・先輩でもっとも多くの回答を集めたのが、「仕事を任せて見守る上司・先輩」という項目で、上司・先輩の48.0%がこれにYESの回答をしています。しかし、新入社員からすればまったく人気はなく、この項目を理想としたのはたったの6.0%。もう完全にズレています。ほとんど上司の一方的な勘違いといっても良いほど、見事なまでのすれ違いです。また「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」という項目も意識のズレが大きく、上司・先輩の36.0%に対し、新入社員の回答はその半分の18.4%に留まっています。これを見ると、部下の自主性を重んじ、その考えを引き出すコーチング的なアプローチは、少なくとも新入社員にはいまひとつ受けが良くないようです。


 これに対し、新入社員の人気を大きく集めたのが、「人間的魅力のある上司・先輩(63.0%)」と「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩(50.6%)」の2つの項目。更には「言動が一致している上司・先輩(35.5%)」、「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない上司・先輩(30.6%)」という回答が続いています。この結果を総合的に見ると、新入社員は仕事に関する裁量を与えられ、主体的に動くことを要求されるよりも、言動が一致した人間的魅力のある上司・先輩から丁寧な指導をしてもらうことを求めており、その結果についてマメに労いの言葉をかけられて承認されることを期待しているようです。なんとなく新入社員の受身の態度が気になりますが、いずれにしても新入社員の指導においては、このような気質があることを理解し、ある程度配慮した言動が求められるのでしょう。



参考リンク
社団法人日本能率協会「2007年度 新入社員「会社や社会に対する意識調査」結果」
http://www.jma.or.jp/bin/jma/release/release.cgi?type=contents_20070419


(大津章敬)


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