[税源移譲]これまで受けていた住宅ローン控除の取り扱い
今日は久々に平成19年の所得税から住民税への税源移譲に関連するテーマを取り上げてみましょう。
[質問]
当社の社員から、今年の年末調整について質問がありました。数年前に住宅を購入し、住宅ローン控除を受けていたのですが、今までは年末調整で所得税が全額還付されていたそうです。住宅ローンの残額はまだかなりあり、今年以降も所得税の還付額が大きくなると考えていたそうですが、税源移譲に伴い、所得税の徴収額自体が減っているので、その還付額が小さくなってしまうのではないか、逆に住民税は増えるために、結果、増税になってしまうのではないか?という質問内容でした。何か対策はあるのでしょうか?
[回答]
税源移譲に伴い減少する所得税の住宅取得控除については、申告を行うことで住民税の減額が行われます。
今回の税源移譲により所得税額が減少することに伴い、本来受けられるべき住宅ローン減税額が減少する事例が発生します。これに関しては、税源移譲に伴い減少する住宅ローン現在相当額を平成19年分以降に申告(基本的には適用を受ける年の3月15日までに申告)を行うことによって、給与の支給を受ける年の住民税から控除することができることとなっています。なお、この制度は平成18年末までに入居した人に限って適用されることとなっていますのでご注意ください。
[まとめ]
住宅ローン控除は、2年目以降は年末調整にて処理ができるため、申告の必要性について意識を持ちづらいものです。そのため住宅取得控除の適用を受けている社員に対しては今後、十分な周知が必要となるでしょう。なお現時点では、詳細な手続き書式等は決定されていないようですので分かり次第、このブログで取り上げていきたいと思います。
参考リンク
財務省「平成19年から所得税が変わります。(税源移譲の実施、定率減税の廃止)」
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/zeigen.htm
名古屋市「税源移譲についてのQ&A Q13」
http://www.city.nagoya.jp/kurashi/zei/aramashi/shiminzei/qanda/nagoya00039823.html
(宮武貴美)
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