平成18年度のサービス残業是正支払額は1,679社で227億円
昨日、厚生労働省より「監督指導による賃金不払残業の是正結果」という資料が公表されました。これによれば、平成18年4月から平成19年3月までの間に、定期監督および申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払いになっていた割増賃金の支払が行われたもの(その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったものに限る)の状況は以下のようになっています。
□是正企業数 1,679企業
□対象労働者数 182,561人
□支払われた割増賃金の合計額 227億1,485万円(企業平均1,353万円、労働者平均12万円)
また平成13年4月以降の状況をグラフ化したのが左のグラフ(画像はクリックして拡大)ですが、6年間のトータルでは、是正企業数は6,840企業、対象労働者数は849,478人、支払われた割増賃金の合計額は1,078億7,482万円となっています。毎年220億円から230億円程度の是正金額でいまも推移していることがよく分かるのではないでしょうか。最近の労働時間問題の論点は、サービス残業(賃金不払い残業)から過重労働に移行しているように思いますが、未だにサービス残業の是正の水準は低下していないというのは実務家として押さえておきたいところでしょう。
参考リンク
厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果~平成18年度は約227億円」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1.html
東京労働局「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成18年度)」
http://www.roudoukyoku.go.jp/news/2007/20071005-kantokushidou/20071005-kantokushidou.html
厚生労働省「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1b.html
厚生労働省「賃金不払残業総合対策要綱」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/h1005-1a.html
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/10/dl/h1005-1a.pdf
(大津章敬)
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