原油等の資源価格高騰が与える雇用環境への影響
先日、厚生労働省から「原油等資源価格の高騰や円高等に伴う事業活動及び雇用面への影響について-公共職業安定所によるヒアリング結果(平成20 年4月実施)-」が発表されました。今日はこの内容について取り上げておきましょう。この調査は、平成20年4月初旬から中旬にかけて、全国の公共職業安定所で、中小企業(製造業、運輸業及び卸売・小売業)4,424 社に対し、原油等資源価格の高騰や円高等に伴う事業活動や雇用面への影響に関するヒアリングをまとめたものです。
調査によると、3ヵ月前と比較して、原油等資源価格の高騰や円高等に伴う事業活動に対する影響については、「収益を大きく圧迫している」が26.1%、「収益をやや圧迫している」が48.0%、合計74.1%が原油等資源価格の高騰や円高等により収益が圧迫していると回答しており、如何にその影響が大きなものかがわかる結果となっています。また、この影響への対応策の回答上位としては「経費削減(人件費以外)」59.4%、「商品、サービスへの価格転嫁」31.2%、「賃金調整または雇用調整」14.4%が挙げられています(グラフは賃金調整または雇用調整の実施状況:クリックして拡大)。この結果から、まずは自社内の企業努力によって、対策を進めていることが明らかになっています。一方で、今後の見込みについてという項目では、35.1%が「賃金調整の可能性がある」、24.3%が「雇用調整の可能性がある」と回答しており、この状況が長引けば賃金や雇用状況にも大きな影響を与えることが想像されます。
参考リンク
厚生労働省「平成20年度公共職業安定所による緊急ヒアリングについて」
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/h0430-1.html
(宮武貴美)
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