管理職に対する時間外手当 部長で95.1%、課長で88.5%が不支給
労務行政研究所は先日、「管理職に対する残業代、深夜割増賃金の支給状況」という調査結果を公表しました。これは、全国証券市場の上場企業3,455社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)311社の合計3,766社を対象に実施されたもので、今回の結果はこのうち回答のあった233社を集計したもの。
これによれば、各社における部長・課長・課長代理・係長・主任の各役職位のそれぞれに対する残業代支給の有無は以下の通りとなっています。
支給 不支給
部長クラス 0.9% 95.1%
課長クラス 3.7% 88.5%
課長代理クラス 38.5% 51.0%
係長クラス 89.0% 6.2%
主任クラス 94.6% 3.4%
世間では「課長以上が管理監督者」とされていることが多いと言われていますが、今回の調査結果はそれを裏付ける内容になると同時に、課長代理クラスについては対応が真っ二つに分かれていることが表れています。労働基準法における管理監督者は単なる役職の有無ではなく、労務管理における権限、労働時間における裁量の高さ、相応の処遇といった実質的な要件で判断されます。それが故に、自社の対応がいわゆる「名ばかり管理職」の状態になっていないか、改めてチェックしておくことが望まれます。
参考リンク
労務行政研究所「管理職に対する残業代、深夜割増賃金の支給状況」
http://www.rosei.or.jp/research/pdf/000057794.pdf
(大津章敬)
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