新卒採用に関する企業説明会や学校推薦の取扱いについて行われた申合せ
先日、文部科学省から「大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」が公表されました。この申合せは、大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動の秩序を維持し、正常な学校教育と学生の学修環境を確保するとともに、学生が自己の能力や適性に応じて適切に職業を選択できるようにするために、国公私立の大学、短期大学および高等専門学校で構成する就職問題懇談会が定めたものです。
就職活動については、今年度に内閣総理大臣より経済団体に対し、平成27年度卒業・修了予定者から、広報活動の開始時期は卒業・修了前年度3月、採用選考活動の開始時期は卒業・修了年度の8月に変更するよう要請されており、日本経済団体連合会はこれを受け、2013年9月13日に「採用選考に関する指針」を策定・公表し、この要請にあわせる形の指針としていました。今回の申合せについても、これらに沿う内容となっています。以下では申合せ内容のいくつかを確認しておきましょう。
■「企業説明会」の取扱いについて
卒業・修了前年度3月1日より前は、学内及び学外で企業等が実施する「企業説明会」(「企業説明会」「会社説明会」「学内セミナー」等の名称に関わらず、採用を目的として事前に採用予定数や選考スケジュールなどの採用情報を広く学生等に発信するための説明会を指す。)に対して会場提供や協力を行わない。
卒業・修了前年度3月1日以降、「企業説明会」を大学等の協力の下に実施する場合は、参加の有無がその後の選考に影響しないことを学生に対して明示する。また、実施に当たっては、土日祝日や平日の夕方以降の実施など、可能な限り学事日程に配慮する。
■学校推薦の取扱いについて
学校推薦は、原則として卒業・修了年度8月1日以降とする。
■正式内定開始について
正式内定日は、卒業・修了年度10月1日以降である旨学生に徹底する。正式内定に至るまでの間においては、複数の内々定の状態が継続しないよう、学生を指導するとともに、9月30日以前の内々定は学生を拘束しないものである旨徹底する。
■「申合せ」の周知について
各大学等は、学内の教職員はもとより、学生への周知徹底を図り、学生に不安と混乱が生じないよう適切に対応するとともに、企業等に求人依頼文書を発送する際、この「申合せ」を添付し、その趣旨の理解を図る。また、企業等に対し、総理要請の趣旨を遵守するよう求める。
採用選考期間が短くなることで、企業にとっては負担に感じることも多いかとは思いますが、学生が学業優先の生活ができるよう、指針を前提にした採用スケジュールを作成・行動していきましょう。
参考リンク
文部科学省「大学、短期大学及び高等専門学校卒業・修了予定者に係る就職について(申合せ)」
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/09/1340139.htm
日本経済団体連合会「採用選考に関する指針」
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/081.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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