大改正が予定される労働者派遣制度見直しの報告書が明らかに

派遣報告書 昨日の日本経済新聞では労働者派遣法改正の記事が一面トップを飾っていましたが、その具体的内容である報告書の内容が公開されました。労働政策審議会は、昨年8月から職業安定分科会労働力需給制度部会において、13回にわたり議論を重ね、昨日、厚生労働大臣に対して労働者派遣制度の改正について建議を行いました。報告書はこの建議に添付されているものですが、これまでの人材派遣制度を根幹から変える非常に重要な内容となっています。

 今回の建議では、登録型派遣・製造業務派遣の継続、専門26業務の区分の廃止などが盛り込まれていますが、もっとも影響が大きい改正内容は派遣受入れの期間制限の見直しです。従来は原則として同一の業務について最長3年までしか派遣を受け入れることができませんでしたが、これを見直し、以下の方向性が示されています。
個人単位の期間制限の導入
 同一の業務ではなく、同一の派遣労働者について最長3年まで派遣を受け入れることができるようにする。
派遣先における期間制限の緩和
 派遣先は、同一の事業所において3年を超えて継続して派遣労働者を受け入れてはならないものとするが、派遣先が派遣労働者の受入開始から3年を経過するときまでに、当該事業所における過半数労働組合(過半数労働組合がない場合には民主的な手続により選出された過半数代表者)から意見を聴取した場合には、さらに3年間派遣労働者を受け入れることができるものとする。その後さらに3年が経過したときも同様とする。

 つまり、過半数労働組合の意見聴取さえ行えば、3年毎に人は変われど、継続的に派遣労働者の受け入れを行うことができるという内容となっています。厚生労働省は、この建議の内容を踏まえ、平成26年通常国会への法案提出に向け、法案要綱を作成し、労働政策審議会に諮問する予定としていますが、企業の人材調達にも大きな影響がある内容ですので、今後の動向については注目していきたいところでしょう。

 なお、報告書本文は以下でご覧いただけます。
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11654000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu-Jukyuchouseijigyouka/0000036087.pdf


関連blog記事
2014年1月20日「労政審 継続的に派遣労働者受入を可能とする報告書案を提示」
https://roumu.com
/archives/52023719.html

参考リンク
厚生労働省「労働政策審議会建議-労働者派遣制度の改正について-」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000036085.html

(大津章敬)
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/

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