大幅拡充に加え、新たな内容が追加される予定の労働移動支援助成金

労働移動支援助成金 毎年、この時期は春にむけて助成金が創設・改正され、案内が行われる時期となっています。今年についても、既にいくつかの助成金の改正予定が公表されていますが、本日は労働移動支援助成金の拡充案について取り上げておきましょう。

 労働移動支援助成金とは、事業規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者等に対し、民間の職業紹介事業者に労働者の再就職支援を委託し再就職を実現させた事業主に支給されるものとなっています。現行の制度では、対象事業主が中小企業事業主のみとされ、実際に再就職が実現したときのみに支給されています。また、手続きについては事前にハローワークに「再就職援助計画」を提出しその認定を受けておく必要があります。

 この内容が、2014年3月1日以降(予定)に再就職援助計画等を提出した事業主については、中小企業事業主以外の事業主についても対象となり、再就職が実現したときのみならず、再就職支援を委託したときについても支給されるようになります。中小企業事業主については、支給額も引上げとなり、対象者に求職活動のための休暇を付与した場合にも助成金が支給されるようになる予定です。

 この他にも、労働移動支援助成金の一つとして「受入れ人材育成支援奨励金」が創設され、以下の3つのいずれかに該当する労働者に対し、訓練(Off-JTのみまたはOff-JTとOJT)を行った場合に賃金や訓練経費の助成が行われる予定となっています。
再就職援助計画の対象となった労働者等を雇入れる
移籍によって受入れる
出向によって受け入れた後に移籍に切り換える

 これは労働者の再就職の促進を目的としているものであり、行き過ぎた雇用維持型から労働移動支援型への政策転換(失業なき労働移動の実現)を進めるとされたことを受けての創設となります。正式な決定は今後となりますが、事業の縮小等を考えている企業は、離職する労働者の再就職をスムースに行うためにも、助成金の活用を検討してもよいかもしれません。


参考リンク
厚生労働省「労働移動支援助成金の拡充案について」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000036935.pdf

(宮武貴美)

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