従業員の確保ができていない企業の約95%が採用難による事業への影響を懸念

採用難による事業への影響 リーマンショックによる雇用危機の記憶が一気に吹き飛んでしまうくらい、最近は従業員の採用ができないという相談が増加しています。こうした状況を背景として、リクルートでは人手不足の実態に関するレポートを発表しました。この調査の対象は従業員規模30人以上の全国の民間企業勤務者で、採用業務に直接的あるいは間接的に関わっている者1,000名。

 これによれば、2014年4月~6月の採用において、必要人数が確保できなかった割合は正社員の中途採用で32.1%、アルバイト・パートで30.6%となっています。業種で見ると、小売業(43.8%)、飲食サービス業(42.4%)などにおいて、その傾向が強く見られています。また、このように必要人数の採用が確保できなかったことによる事業への影響については、正社員の中途採用で9.2%、アルバイト・パートの採用で11.3%が「事業に深刻な影響が出ている」と回答しており、これに「事業に影響は出ているが対処できている」、「事業にいまのところ影響はないが、この状態が継続すれば影響が出てくる」を合算すると、それぞれ95.7%、96.1%が採用難による事業への影響を懸念しているという結果が出ています。

 採用環境については当面改善の兆しも見えない状態となっていますので、今後は人材採用難による事業計画の狂いなどが生じる危険性が高くなっており、採用強化などと共に、既存の人材の離職防止や能力向上、生産性改善などのテーマに真剣に取り組んでいかなければならない時代となっています。文字通り、人材の差が業績の差に繋がる時代がやって来ようとしています。


参考リンク
リクルート「リクルートワークス研究所が「人手不足の影響と対策に関する調査」を実施 人員確保できない企業の50%以上が事業に影響あり 採用難の悪循環を断ち切るため、主婦・シニアを活用している企業は15%にとどまる」
http://www.recruit.jp/news_data/release/2014/0724_7712.html

(大津章敬)
http://blog.livedoor.jp/otsuakinori/

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