無期転換ルールへの対応 「現在検討中」が42.2%も基本的には無期転換受け入れが主流に
2013年4月に施行された改正労働契約法では、勇気労働契約が反復更新され、通算5年を超えた際に無期労働契約への転換申し込み権が発生するといういわゆる「無期転換ルール」が導入されました。実質的には施行から5年が経過する2018年4月以降にこの問題が発生することになりますが、残り期間は2年を切り、その準備も待ったなしの状況になってきています。そこで本日は東京都産業労働局の「平成27年度 契約社員に関する実態調査」の中から、無期転換ルールの認知度と企業の対策について取り上げます。
無期転換ルールの認知度
無期転換ルールについての認知度は労使で以下のようになっています。
企業調査 「知っていた」90.8% 「知らなかった」8.1%
契約社員調査 「知っていた」35.5% 「知らなかった」63.1%
このように企業のほとんどが無期転換ルールを認知しているのに対し、当の契約社員の認知度は極めて低い状態になっています。
無期転換ルールへの対応予定
企業の対応予定ですが、もっとも多いのは「現在検討中」の42.2%。これに次ぐのが「今後も有期労働契約で雇用し、通算5年を超える契約社員から申し込みがあれば無期契約に転換する」が40.0%となっています。この法律改正が議論されていた頃はまだリーマンショックによる人余りの時期でしたので、無期転換申込み権が発生する5年以前に雇い止めをするという意見が多く聞かれましたが、現在の深刻な人手不足の状況では、無期転換を受け入れるしかないという企業が多くなっていることでしょう。
しかし、現実的には本当に一部の契約社員については、能力・適性面などから無期転換は難しいと考えるケースもあるはずです。また無期転換後の就業ルールの明確化も必要となります。そのように考えるともう残り時間は非常に少ないと考えることが重要です。情報収集を積極的に行い、早め早めの対策をお勧めします。
[無期転換対策セミナーを東名阪+福岡で開催]
以下のとおり、安西法律事務所の倉重弁護士を講師にお招きし、無期転換ルールに関して必要な法的知識を押さえながら、企業に求められる実務対応について具体的に解説いただくセミナーを企画しました。是非ご参加をお待ちしております。
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無期転換申込み制度への対応に必要な法的知識と社労士としての提案法
~深刻な求人難の時代に雇用リスクを回避しながら、安定的に雇用を確保する限定正社員、多様な正社員をめぐる課題
講師:倉重公太朗氏 安西法律事務所 弁護士
無期転換申し込み制度への対応に必要な法的知識
・労働契約法18条(無期転換制度)について、無期転換権の行使をめぐる法的留意点とは
・労働契約法20条(不合理な労働条件の禁止)について、正社員の労働条件との均衡をどう考えるか 等
無期転換申し込み制度への具体的な対応と実務
・無期転換前に雇い止めを行う際の注意点
・無期転換後の労働条件の考え方、無期転換による不利益変更をめぐる問題
・無期転換に対応した就業規則等の整備(他の就業規則との整合性)
・無期転換制度導入フロー、運用における留意点、定年後再雇用者への対応 等
今後の有期労働者の雇用管理のあり方
・企業に予想される今後の状況にどう対応するか(限定正社員、多様な正社員をめぐる課題) 等
[日時および会場]
東京会場
2016年5月11日(水)13時30分~16時30分[満席間近]
日本教育会館 第二会議室(神保町)
大阪会場
2016年6月10日(金)13時30分~16時30分
エルおおさか南ホール(天満橋)
名古屋会場
2016年7月26日(火)13時30分~16時30分
名南経営本社セミナールーム(名古屋駅・JPタワー名古屋34階)
福岡会場
2016年7月25日(月)13時30分~16時30分
JR博多シティ 9階1会議室(博多駅)
[詳細およびお申込]
以下よりお願いします。なお、LCG会員のみなさんは専用サイト「MyKomon」よりお願いします。
https://www.lcgjapan.com/seminar/sr-kurashige20160511/
参考リンク
東京都産業労働局「平成27年度 契約社員に関する実態調査」
http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/toukei/koyou/jouken/h27/index.html
(大津章敬)
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