リスクアセスメントを実施している事業所の割合は46.5%

リスクアセスメント 2017年9月7日、厚生労働省が「平成28年労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を取りまとめ、ホームページ上で公表しました。この労働安全衛生調査は、周期的にテーマを変えて調査がされていますが、今回の調査では、第12次労働災害防止計画の重点施策を中心に、事業所が行っている労働災害防止活動や安全衛生教育の実施状況等の実態について調査がされています。その中で今回は、事業所が行っているリスクアセスメントに関する調査について着目してみましょう。

 まず、何らかのリスクアセスメントを実施している事業所の割合は46.5%(平成27年調査47.5%)となっています。リスクアセスメントを実施していない理由としては、「危険な機械や有害な化学物質等を使用していないため」が57.3%と最も多かったものの、次いで多かったのは「十分な知識を持った人材がいないため(26.2%)」「実施方法が判らないため(21.6%)」と、特に企業規模が小さい企業においては、対応できる人員が社内におらず、実施ができていないという状況も一定数あるのではないかということが推測される結果となっています。

 また、リスクアセスメントを実施している企業において、その実施内容をみると、「作業に用いる機械の危険性に関する事項」が63.2%と最も多く、次いで「交通事故に関する事項」が56.5%となっています。機械設備に対する意識は比較的高いようですが、他方で「作業に用いる化学物質の危険性・有害性に関する事項」について実施しているのは31.3%と実施割合は比較的少ないようです。

 化学物質のリスクアセスメントについては、2016年6月1日に労働安全衛生法が改正され、一定の危険有害性のある化学物質(640物質)については、事業場におけるリスクアセスメントが義務化されたり、譲渡提供時に容器などへのラベル表示が義務づけられています。この法改正を機に、労働基準監督署が本テーマでの調査を積極的に行っているという実態もあるため、職場の安全衛生管理としては特に注意をしておきたいポイントです。


参考リンク
厚生労働省「平成28年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h28-46-50b.html

(佐藤和之)

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