30名未満の中小企業 大卒男性の3年以内離職率は50.2%

30名未満の中小企業 大卒男性の3年以内離職率は50.2% 有効求人倍率がバブルの最盛期を超えるなど、採用に関しては非常に厳しい状況が続いています。新卒採用についても多大なコストがかかる一方で、採用予定数に達しないといった話を頻繁に耳にしていますが、採用後は採用後で、早期離職の防止という大きな課題があります。

 新卒採用に関しては、昔から七五三という言葉があります。これは、中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が入社3年以内に離職するというものですが、厚生労働省は、2014年3月に卒業した新規学卒就職者の就職後3年以内の離職状況について取りまとめました。その結果は以下のとおりとであり、高卒の離職率は4割程度となっているものの、概ね七五三の状況にあることが分かります。
[新規学卒就職者の就職後3年以内離職率]
大学
  32.2%(前年比+0.3ポイント)
短大等 41.3%(前年比▲0.4ポイント)
高校  40.8%(前年比▲0.1ポイント)
中学  67.7%(前年比+4.0ポイント)

 このうち、大卒と高卒の3年以内離職率を従業員規模別で見たのが以下の結果です。
1,000 人以上
 大学 24.3%(+0.7P)
 高校 25.3%(+0.6P)
500 ~999人
 大学 29.8%(+0.6P)
 高校 32.9%(+1.4P)
100 ~499人
 大学 31.9%(±0.0P)
 高校 37.9%(±0.0P)
30 ~99人
 大学 38.8%(+0.2P)
 高校 47.1%(▲0.6P)
5~29人
 大学 50.2%(+0.3P)
 高校 56.4%(▲0.8P)
5人未満
 大学 59.1%(+0.1P)
 高校 64.0%(▲4.0P)

 これは予想の範囲内ではありますが、やはり小規模企業における離職率は高く、従業員数30名未満の企業では、大卒の半数以上が3年以内に離職しています。この結果からは改めて入社後の定着および育成に力を入れなければ、組織力は高まらないということが言えるのではないでしょうか。


参考リンク
厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成26年3月卒業者の状況)を公表します」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553.html

(大津章敬)

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