70歳雇用時代に向け見直しが行われる「高年齢者雇用状況報告書」の様式
先日(2018年2月16日)に、内閣府では第29回高齢社会対策会議を開催し、「高齢社会対策大綱」(案)についての議論を実施するなど、高齢者雇用に関する法改正の機運も高まりつつあります。そもそも働き方改革実行計画の中では、2020年度に継続雇用延長・定年引上げに係る制度の在り方を再検討することが予定されており、今後、65歳定年制、70歳までの継続雇用の時代に向かおうとしています。
そうした背景から「高年齢者雇用状況報告書」の見直しにかかる省令案についてのパブリックコメントが実施されています。
そもそも国は、企業における高齢者雇用の実情を把握するため、「高年齢者雇用状況報告書」において、高年齢者雇用安定法の高年齢者雇用確保措置の実施状況について報告を求めています。そこでは、企業の実情に応じた何らかの仕組みにより70 歳以上まで働ける企業の状況について報告を求めているものの、66 歳~69歳まで働ける企業の状況については報告項目とされていません。今後、70歳までの継続雇用制度を検討するにあたり、66~69歳まで働ける企業も含めて、より詳細に高齢者雇用の実態を把握する必要があることから、高年齢者雇用状況報告書の一部の改正が検討されています。
具体的には、高年齢者雇用状況報告書の中の⑪欄の記載内容が以下のとおり、変更される予定となっています。
現行:⑪70 歳以上まで働ける制度等(定年の廃止・引上げ等を除く)の状況
改定:⑪66 歳以上まで働ける制度等(定年の廃止・引上げ等を除く)の状況に変更するとともに、具体的な上
限年齢を記載する欄を追加する
この改正は2018年4月1日から行われる予定となっています。いよいよ70歳雇用の時代が見えてきました。
参考リンク
e-Gov「パブリックコメント:高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案(高年齢者雇用状況報告書の様式変更)に関する意見の募集について」
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495170374&Mode=0
首相官邸「平成30年2月16日 高齢社会対策会議」
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201802/16kourei.html
内閣府「高齢社会対策会議資料(第29回)」
http://www8.cao.go.jp/kourei/measure/taisakukaigi/29/shiryou.html
(大津章敬)
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