「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」という離職理由が男女とも急増

離職 先日発表された有効求人倍率が1.56倍となり、高度経済成長期直後の1974年以来、43年10ヵ月ぶりの高い水準となっていますが、これに関連し、「平成29年上半期雇用動向調査結果」が厚生労働省より公表されました。

 まず平成29上半期の入職と離職をみてみると、入職者数は4,745,700人、離職者数は4,191,700人となり、554,000人の入職超過となっています。これを率で見てみると、入職率が9.6%、離職率が8.5%となっており、1.1ポイントの入職超過となりました。

 次に、転職入職者が前職を辞めた理由をみてみると、「その他の理由(出向等を含む)」を除く上位5つは以下のようになっています。
[男性]
1位 定年・契約期間の満了 16.5%(前年同期19.0%)
2位 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 12.8%(前年同期8.6%)
3位 会社の将来が不安だった 10.6%(前年同期9.5%)
4位 給料等収入が少なかった 9.1%(前年同期10.8%)
5位 職場の人間関係が好ましくなかった 6.1%(前年同期6.7%)
[女性]
1位 労働時間、休日等の労働条件が悪かった 14.3%(前年同期12.1%)
2位 職場の人間関係が好ましくなかった 11.7%(前年同期11.2%)
3位 定年・契約期間の満了 11.3%(前年同期15.0%)
4位 給料等収入が少なかった 10.7%(前年同期9.1%)
5位 仕事の内容に興味が持てなかった 5.7%(前年同期4.3%)

 前年同期と比べ、上昇幅がもっとも大きかったものは、男女ともに「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」で、男性が4.2ポイント、女性が2.2ポイント上昇しています。人材確保が難しくなるなか、既存従業員の定着が重要になってきます。そのため、上記の前職を辞めた理由を参考に、離職に至るような大きな不満材料がないか、見直しを行いたいものです。


参考リンク
厚生労働省「平成29年上半期雇用動向調査結果の概要」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-1/index.html

(福間みゆき)

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