厚生労働省 副業兼業における実効性のある労働時間管理のあり方を検討
働き方改革の中では副業兼業の推進というテーマも掲げられていますが、実務を考える上では、労働基準法38条の労働時間の通算に関する定めが大きな制約になっています。労働基準法38条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されており、それが故に副業兼業のような複数就業者の場合は、他の仕事の労働時間の状況をほぼリアルタイムで把握し、36協定の管理や時間外割増賃金の支払いをしなければならないとされています。
しかし、現実的にはそのような取り扱いは極めて困難と言わざるをえません。よってこの労働時間の通算のルールが存在する以上は、雇用型の副業の容認は困難であるという話をよく聞きます。
このような状態を受けてか、厚生労働省では先日、「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」を設置しました。この検討会では、副業・兼業の場合の実効性のある労働時間管理の在り方について、労働者の健康確保等に留意しつつ検討を行うことを目的としているということですので、今回は労働時間通算のルールの見直しも進められるかも知れません。
[関連条文]
労働基準法38条(時間計算)
労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
参考リンク
厚生労働省「第1回「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」を開催します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000178584_00001.html
(大津章敬)
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