1ヶ月以内のフレックスタイム制に新たに設けられた特例

zu 4月から清算期間が1ヶ月を超えるフレックスタイム制が始まります。時間外労働の計算方法が複雑になることもあり、導入を検討されている企業はかなり少ないのではないかと想像します。今回の改正ではこの清算期間の拡充以外にも、現行法におけるフレックスタイム制の取扱いについて、運用上、問題となっていた点の解消も行われています。
 現在、完全週休2日制の事業場でフレックスタイム制を導入した場合には、1日8時間相当の労働であっても、曜日の巡りによって、清算期間における総労働時間が、法定労働時間の総枠を超えてしまう場合がありました。例えば、土曜日・日曜日・国民の祝日が休みである会社において、6月1日が月曜日だった場合には、以下のような事態が発生していました。
 [6月]
 暦日数:30日
 所定労働日数:22日
 休日日数:8日
 清算期間における総労働時間数:8時間×22日=176時間・・・A
 法定労働時間の総枠:40時間÷7日×30日=171.42時間・・・B
 ※AがBを超えるために、完全週休2日制で残業のない働き方をしていても、時間外労働が発生。
 これについて、週の所定労働日数が5日(完全週休2日)の労働者を対象年、労使協定を締結することによって、「清算期間内の所定労働日数×8時間」を労働時間の限度とすることが可能となりました。これにより、上記、事例のAがBを超える場合であっても、Aの時間の範囲内であれば、時間外労働は発生しないこととなります。
 この取扱いは労使協定の締結が前提にあるため、このような現象が発生する月がないかを確認し、取扱いを決めましょう。


関連blog記事
2019年1月30日「4月から変更となるフレックスタイム制のリーフレットが公開されました」
https://roumu.com
/archives/52165459.html

参考リンク
厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」
https://www.mhlw.go.jp/content/000476042.pdf

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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