【労災保険】特別加入(海外派遣者)の給付基礎日額の上限が25,000円に引上げられます(2013年9月~)

無題 労働者災害補償保険(以下、「労災保険」という)は、社員が業務中や通勤途上にケガなどをした際に、その治療費などの給付がされる制度です。海外勤務時における労災保険の適用は、海外出張の場合には適用がありますが、海外現地法人へ出向している場合には適用がありません。そこで、海外出向者については、出国時に所轄の労働基準監督署長を経由して都道府県労働局長に対して「特別加入申請書」を提出することで、特別に労災保険の適用を受けることができる制度が設けられています(労災保険の特別加入制度)。

 この特別加入制度の給付の中には、例えばケガなどによって働くことができなくなり休業をした際に所得補償がされる「休業(補償)給付」というものがあります。この給付の1日あたりの補償額は、海外赴任者の所得水準に合わせ、事前に決めた給付基礎日額によることとなっています。

 現行制度上、この給付基礎日額は、3,500円から20,000円までの合計13段階となっていますが、今回、特別加入者の給与の実態や本体給付との均衡を踏まえて、この13段階に22,000円、24,000円、25,000円の3段階を加え、25,000円上限の合計16段階へと見直しがされることが決定され、本日(2013年8月1日)、省令の改正がされました。制度の変更は、2013年9月1日からです。

  給付基礎日額の上限の引き上げによって、ケガや病気、障害、死亡の場合に支払われる給付額をこれまでより増やすことができますので、これまでの上限では給付額が物足りないと考えていた場合には、今回の上限変更に合わせ、給付基礎日額の見直しをしてもよいかもしれません。(佐藤和之)

◆参考リンク
「労働者災害補償保険法施行規則及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」の労働政策審議会に対する諮問及び答申について
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000036faz.html
 厚生労働省「平成25年9月1日から特別加入者の給付基礎日額の選択の幅が広がり、新たに22,000円、24,000円、25,000円が選択できるようになります。」
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/kanyu_03.pdf

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