中国労務の最新事情~現場からの定点観測~第3回
■中国出境入境管理法の改正、外国人入境出境管理条例の施行、そして公安の対応(1)
2012年、「出境入境管理法(出入国管理法)」の改正法が公布され、2013年7月1日から施行、それに併せて2013年9月1日からは同法の実施細則である「外国人入境出境管理条例」の施行も始まりました。駐在員の就業や、出張者の中国への渡航に直接関わる法律であるため、本社や駐在員の方たちは各方面からの情報収集に慌ただしい対応を強いられることになりました。
特に駐在員の居留証の更新については、従来の5営業日から15営業日に延長されるということで、その間はパスポートが公安預かりとなるため、中国国内の移動や宿泊に大きな影響を及ぼす惧れも否定できず、日本の公式機関の他、各国の団体からは、法律適用の緩和を求める声が相次いで起こりました。15営業日ということは実質3週間、中国国内の移動もままならないということになれば、取引先に対しての急を要する対応が出来ない等、ビジネスにも支障が出る可能性があります。このようなパブリックコメントを受けてか、2013年9月には上海市公安局から上海市に限っては居留証の更新手続を7営業日で行う、またビジネス上或いは人道的判断によってはそれすら柔軟に対応するという公式見解が発表されました。更にパスポートを入出境管理局(公安局)に提出している間は全国統一の「預かり証」を発行するため、国内の移動や宿泊には影響が出ないよう対処するということも述べられています。現在のところ、上海市公安局からのコメントであり、上海以外の他地域の公安局がどのように対応するのかは明らかにされておりません。~次回に続きます~(清原学)
(※本内容は、2013年9月末日時点の情報をもとに寄稿しています。)
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