タイへの出張は控えるべきか~海外出張者の労務管理~

 こんにちは。服部@名南経営です。

 タイのバンコクのデモが日本のマスメディアにおいても大きく報道されています。
 そうしたことが理由か、先日、企業の関係者から従業員をタイへ出張に行ってもらうことを控えたほうがよいでしょうか、といった相談を受けました。

 結論を言えば、出張を控える必要はない(2014年1月21日現在)と思います。

 デモが行われているのは、中心部の一部。アソーク等の要所を押さえられていますが、現地の駐在員曰く、現地の反政府組織の拠点はまるでお祭りのようで、商魂たくましいタイ人が屋台を連ねたり、コンサートを行ったり、といった状況のようです。数年前、私もバングラデシュの帰りにタイに寄った際に、たまたまタクシン派と反タクシン派の対立デモの集会に遭遇しましたが、まったく同じような状況。一方で、TVでは過激な一部分のみ報道されており、そのギャップは、まるで何年か前の中国・上海における抗議デモ(暴動)と同じようなものでした。

 現地のサイアムパラゴン等の商業施設は、通常どおりの営業のようで、道路封鎖に伴って地下鉄等が異常な混み具合、といったこと以外は、日常生活とさほど変わらないようです。

 今後、スワンナプーム空港やドンムアン空港が占拠されるかどうかといえば、恐らくそうしたことは発生しないと思います。数年前の空港占拠でタイ航空等によって損害賠償が反タクシン派に請求され、裁判によって5億バーツ以上の支払いを命じられていますので、同じ過ちは犯さないでしょう。加えて、タイ政府から1月21日に「非常事態宣言」が出されましたが、この宣言によって不法占拠等による治安当局の権限が強化されますので、デモや集会についても一定の制限が加わっていくと思われます。

 そう考えると、積極的にデモ集会等に近寄らなければ、タイへの出張は、本日現在においては、問題ないと言ってもよいのではないかと思います(デモ集会が行われているところは、タイのニュースにおいてもอันตราย(アンタラーイ=危険)と言っていますので近寄るべきではないでしょう)。ただし、今後はデモや集会等が制限されますので、それを不満に反タクシン派が過激行動を起こす可能性も否定できません。いずれにせよ、そうした場所に近寄らなければ問題はないかと思います(2014年1月21日現在)。

参考までに、
活動拠点
http://www.th.emb-japan.go.jp/jp/news/140107.pdf

タイの交通情報
http://www.mot.go.th/bkk_traffic_modelling.pdf

タイのニュース
http://www.tnnthailand.com/player.php

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  http://blog.livedoor.jp/hattorieiji/

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