日系企業における昇給管理の課題(1)
2014年がスタートしてもうすぐ2ヶ月が経過します。昨年は労災保険(工傷保険)等、一部の社会保険に関する法改正があったものの、中国の労務分野においては、特に大きな動きはなく、例年と比べ、比較的穏やかな1年ではありました。日系企業においては、今後昇給を行うところも少なくないでしょう。毎年頭を悩ます時期ではあります。昇給の頃になりますと、私のところにもたくさんのお問合せを頂くのが常となっております。そのようなご質問について皆さんが気にされるところは、だいたい以下のようなところに集約されるようです。
①今年、他社はどの程度昇給を行うのか
②業績があまり芳しくないので、昇給を抑えても大丈夫だろうか
③物価上昇をどう昇給に反映させたよいのか
<日本型賃金制度の限界>
日本の賃金制度は「職能資格」によって成り立っています。ではいったい、この「職能資格」とは何か?そこからまずお話をしていきましょう。
この「職能資格」にはいくつかの型式があるのですが、共通した特徴としては、従業員が持っている「属人的要素」が賃金の決定に大きく反映されてしまうことです。「属人的要素」には、学歴、年齢、勤続年数といった、いわゆる仕事の成果とは直接関わりのない条件が賃金を決定する柱になってしまっているということです。日本でも例えば通勤手当などはそうですね。どこから通っていようと、仕事の成果には直接関係がない。ですからこの通勤手当も廃止する企業が増えているのです。~次回につづく~(清原学)
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