【海外勤務者の労務管理②】海外勤務者のメンタルヘルス対策(2)

 2014年3月25日のブログ『海外勤務者のメンタルヘルス対策(1)』の続きです。  

 その他最近増加傾向にあるのが、海外勤務者の家族におけるメンタルヘルス問題です。 たとえば、新興国等では言葉が通じず、文化も大きく異なることもあり、配偶者等は家に引きこもりうつ病等を発症するケースがあります。また主要都市であったとしても、日本人だけが居住するサービスアパートメント内における、配偶者同士の派閥争いに巻き込まれるケースもあります。

 対応としては、家族帯同の海外勤務者を対象に、リフレッシュを目的とした休暇を福利厚生として導入することがあります。なお、メンタルヘルス不全の症状が重症である場合には、海外勤務者本人も休ませるなどして、一緒に一時帰国させることも検討する必要があります。その場合には、帰国すること自体が身体的・精神的負担になってしまうことがあるため、海外勤務者のケース同様、まずは産業医に相談し、その判断を基に決定するようにしましょう。

 海外勤務者のメンタル不全対策は、企業にとって重要なリスクマネジメントとなっており、本人にとっても企業にとってもマイナスにつながります。日本本社においては、海外勤務者と密に連絡を取ることにより、事前にメンタルヘルス不全等の兆候を察知できる体制づくりが必要です。また、帯同家族も含めてストレス解消ができるような情報提供を行うことにより、海外勤務者が安心して業務に励むことができるよう環境を整えることも重要になってきます。 (佐藤浩子)

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