日本企業に有利な国際ルールづくりを/経産省がルール形成戦略室を設置

 経済産業省は、2014年7月、新たに「ルール形成戦略室」を設置しました。このルール形成戦略室では、海外進出をしている日本の企業から、諸外国の法規制や慣行等のルールに関する要望を募り、日本に有利なルールづくりを外国政府や国際機関に働きかけていくという取組みが行われます。

 外国のルールに意見を言えるものなのか、他国のルールには従うしかないのではないか、と思われがちですが、実は、ルール整備が不十分な国々は、ルール整備が進んでいる国からの助言を望んでいるところがあり、欧米諸国はすでにこのような取組みに力を入れています。

例えば、ドイツの自動車工業会がタイ政府に欧州の自動車基準の導入を働きかけ、2012年に新しい物品税制へ変更した事例があります。これにより、欧州の自動車企業はタイへの自動車販売がしやすくなったわけですから、ルール形成が成功した際の効果は非常に大きなものといえます。

 外国のルールについて改善の要望がある場合には、ダメもとでも、自社に有利なルール形成の働きかけをしてもらうよう、ルール形成戦略室に相談をしてみるとよいかもしれません。(佐藤和之)

<参考リンク>
経済産業省 通商政策局 ルール形成戦略室「ルール形成戦略」
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade/rules.html

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