増加に転じた平成26年労働基準監督署への申告処理状況

6月29日 先日、愛知労働局は平成26年に管下14労働基準監督署(支署)が実施した定期監督等の実施結果および申告処理状況を公表しました。平成26年の定期監督は5,395事業場を監督実施(前年比1,490減)し、全業種での違反率は73.4%という結果でした。以下では違反件数が多い上位5件の件数と内容を見ていきます。

労働時間 1,505件(27.9%)
・時間外労働に関する協定届を所轄署に届出せず、労働者に法定労働時間を超えて時間外労働を行わせているもの。
・協定の届出はあるものの、協定時間を超えて時間外労働を行わせているもの。
健康診断 1,063件(19.7%)
・常時使用する労働者に対して、1年以内ごとに1回、定期健康診断を実施していないもの。
・深夜業など特定業務従事者に対し、配置替えの際および6月以内ごとに1回、定期健康診断を実施していないもの。
安全基準 964 件(17.9%)
・労働者の身体の一部が挟まれたり、巻き込まれる危険がある機械の原動機、歯車、ベルト等に、覆い、囲いを設けていないもの。
・高さ2m以上の作業床、開口部に墜落の危険があるのに、手すり、覆い等を設けていないもの。
割増賃金 744 件(13.8%)
・時間外労働、深夜労働等を行わせているのに、法定割増賃金(通常の賃金の2割5分以上)を支払っていないもの。
・本来計算基礎に含めなくてはならない職務手当等を算入せず、法定を下回るもの。
就業規則 648 件(12.0%)
・常時10人以上の労働者を使用しているのに、所轄署に就業規則の作成・届出がないもの。
・就業規則に必要記載事項の一部を記載していないもの。

 定期監督件数が減少した一方で、申告件数は平成21年のリーマンショック以降減少していた件数が増加に転じ、賃金不払い、解雇、最低賃金、労働条件通知書や就業規則等および労働時間等が主な申告事項となっています。多くの企業で違反が発生している事項について、改めて自社で同様の問題がないかチェックしておきたいですね。


参考リンク
愛知労働局「愛知労働局における定期監督及び申告処理状況」
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0113/9937/201564182154.pdf

(日比野志穂

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