海外出張日当を設定するにあたっての留意点

48db0ee6 近年、中小企業においても海外出張が増えたことで、海外出張旅費規程を策定したい、規程はあるけれど制定当時は十分な検討ができていなかったので内容を見直したいといったご依頼が増えてきています。そのような中で、海外出張日当の設定については、国内出張と同様に考えてしまうと、出張者の思わぬ不満を招く危険性がありますので、今回はこの点について紹介します。

 出張日当の支給趣旨としては、出張業務の特殊性を勘案した上で、主に食事代などを想定して金額設定をされている場合が多いかと思います。日本国内の出張であれば、それ以外の費用支出は特段ありませんのでそれでよいのでしょうが、海外出張の場合には一つ勘案しておきたいことがあります。それは、チップなどの諸費用についてです。海外現地では、チップの習慣があったり、タクシーを利用した際などきちんとした領収証が発行されないといったケースも珍しくありません。そのような諸費用については、帰国後、費用の精算をしようとしても、領収証が無いために、経理が受け付けをしてくれず、結局、本人が負担せざるを得ないことも少なくありません。

 そこで、海外出張日当については、チップなどの諸費用の発生があることをあらかじめ勘案した金額設定としておき、その旨を規程にも明記した上で、本人にも出張前に伝えておくことがよいでしょう。ちょっとした違いですが、海外出張者の負担や不満を軽減することにつながります。(佐藤和之)

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