海外赴任規程整備の留意点~海外赴任者の引越しルール

219 海外赴任規程を策定するなかで、日本本社の人事担当者が頭を悩ますものの一つに、海外赴任者の引越しについてのルール決めがあります。
 引越し費用は、個人的な事情が色濃く影響するものであるため、どこで線引きをすればよいかは確かに悩ましいところです。引越し費用の決め方としては、「航空便○○kgまで、船便○○cftまで」といったものをよく見かけますが、このような決め方も一理あるのですが、引越しの専門家でもない会社にとってみれば、その基準が実態に適しているものなのか、いまいち確証が持てないところもあるのではないでしょうか。
 そこで、実態に即した決め方としては、実際に依頼をすることとなる引越し会社に赴任先ごとの見積を取り、その金額を目安に会社の負担額を定めておくという方法が考えられます。引越し会社によっては「単身パック」など海外赴任者を想定した商品サービスが用意されていますので、例えば、「海外赴任者の引越し費用については、引越し会社○○○○の上海単身パックサービスの範囲内で会社はその費用を負担する。」といった旨を定めておけば、そのパックプランの容量設定は過去の実績から設定されているものですから、一定の合理性があるものになるといえるでしょう。
 また、引越し費用については、その他にも、以下のような観点で、ルール決めをされておくとよいでしょう。いずれにしましても、赴任者間の公平性が一定程度保てる制度設計をしておくことが重要です。

<引越しに関して決めておきたいルール(一例)>
・家族帯同の場合、家族についての費用負担をどこまで認めるか
・引越し費用の対象となる物品はなにか(ピアノやペットは対象?)
・荷物の送付はいつまで可能か(赴任後何ヶ月か経ってからでも追加で送ることができる?)
・送付先は自由か(赴任先だけでなく、遠方の実家に送ることも可能?)  等

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