2015年11月25日以降、機械読取式でないパスポートは使用できなくなります

無題 現在、日本で発行されている旅券(パスポート)はすべて、券面の情報を機械で読み取ることができる機械読取式の旅券となっています。この機械読取方式は、国内発行のものであれば1992年11月1日以降、多くの在外公館においては1994年以降に申請受付・交付された旅券から導入されており、一般旅券の有効期限は5年および10年ですから、現在では切り替えがほぼ完了しています。

 ただ、中国大使館を含む一部の在外公館(詳細は参考リンクを参照)においては、2006年3月19日まで機械読取式でない旅券の発行がされていたため、機械読取式でない有効な旅券を所持している方も一部存在します。これについて、旅券の国際標準を定める国際民間航空機関(ICAO)では、機械読取式でない旅券の流通期限を2015年11月24日までと定めており、翌25日以降は、原則として使用できなくなります。

 また、以前に当ブログでも紹介した「訂正旅券」についても注意が必要です。訂正旅券とは、紙面上の情報は書き換えられているものの、機械読取部分およびICチップの情報が変更されていない旅券です。訂正旅券は、旅券の種別としては機械読取式旅券であるため、同日以降、直ちに国際標準に合致しない旅券になるわけではなく、引き続き使用は可能です。しかしながら、記載事項の変更が機械読取部分およびICチップに反映されていないため、国によっては国際標準外とみなされる可能性があり、出入国審査や渡航先での各種手続等の際に、確認に長時間を要する等の支障が生じる可能性が高いと懸念されています。

 海外勤務者を抱える企業においては、このような機械読取式でない旅券や訂正旅券の所持者がいないか確認をしておかれるとともに、新規の旅券への切り替えを促されることがよいでしょう。(佐藤和之)

<参考リンク>
外務省「パスポート(旅券)平成27年11月25日以降,機械読取式でない旅券の取扱い等が変更されます(ご注意ください!)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/pss/page3_001066.html

外務省「(2006年3月19日まで機械読取式でない旅券の発行をしていた)一部の在外公館リスト」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000107316.pdf

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