韓国のハローワークで受けた衝撃

IMG_7675 先日、韓国を訪れました。目的はというと、日本では今年の1月からマイナンバー制度が導入されましたが、その最先端、世界最高水準といわれる電子政府を構築しているのが韓国であるからです。今回は、韓国の各行政機関等を視察してきました。
 その道中で訪れたのが、韓国のハローワークです。日本のハローワークは、仕事を探しの求職者や手続きを行う企業の担当者で溢れかえっていて非常に混雑しています。特に手続きが多い4月などは何時間待ちということも珍しくありません。しかし、韓国の、しかも中心地であるソウル市のハローワークに行ってみると、そこにはほとんど人がいません。一応、銀行の窓口のように順番待ちの番号札発券機が設置してあるのですが、番号札を引き抜いた途端に番号を呼ばれるという状況です。なぜこれまでもハローワークに人がいないのか。失業率が低いからではありません。韓国の失業率は、若年層が特に深刻で、最新の統計では全体で3.6%、若年層は9.2%という状況であり、大学を卒業しても就職できない若者達の間では、「ヘル(地獄)朝鮮」という造語ができているぐらいなのです。ところが人がいない。
 このような状況となっている理由は、韓国は電子政府が発展していて、求人検索も手続申請もインターネット上で行うことが主流となっているからです。また、面談での就業相談もインターネットでの予約制となっており、待ち時間がありません。
 日本の行政機関の窓口と対比してみると、行政機関へ出向く移動時間、窓口対応を待つ時間、手書きの書類を入力する窓口職員、と日本は国全体でなんと無駄な時間を費やしているのだろうかという感覚になります。日本においても、今回のマイナンバー導入を機に電子政府が一気に進むことに期待したいところです。(佐藤和之)

当ブログの記事の無断転載を固く禁じます。

IMG_7679