【働き方改革】ノー残業デーはコミュニケーションデー!トヨタ紡織株式会社の取組

20160323 愛知県では「愛知の働き方改革」として、労働者の生活スタイルや家庭責任、地域貢献等に対応できる、多様な働き方・効率的な働き方を勧めるため、県内企業の働き方改革の取組み事例を紹介していますが、今回はトヨタ紡織株式会社の取組を紹介します。

 トヨタ紡織株式会社では、「しっかり働く・しっかり休む」を基本理念として、ワーク・ライフ・バランスの実現を図っています。役員全員がメンバーの労使懇談会や職場単位の職場労使懇談会において働き方改革に向けた取組の実施状況をチェックするとともに、各取組の積極的な推進を促しています。その結果年次有給休暇の取得日数は15.2日(2013年度)から16.1日(2014年度)、育児休業制度の利用者は73名(2010年度)から127名(2014年度)、育児短時間勤務制度の利用者は39名(2010年度)から72名(2014年度)と着実に効果がでてきています。現在、ノー残業デー、年次有給休暇、女性の活躍を重点にした育児・介護休業制度等の充実、女性活躍促進施策の拡充、働き方改革チャレンジなどの取り組みを行っていますが、今回はその中からノー残業デーの取組を紹介します。

 株式会社トヨタ紡織では部署毎に週1日をノー残業デーとしていて、その取組を「コミュニケーションデー」と称しているそうです。この取組から中小企業がノー残業デーを考えるときに参考にできるポイントが2点あります。1つはノー残業デーの適用単位です。ノー残業デーを導入する際、全社、部署毎、個人など様々な単位が考えられます。例えば全社であれば営業と製造ではそもそも繁忙期が合わないケースも多いでしょうし、個人では同僚が働いている中ではなかなか帰りづらいという日本人的感覚が実行の妨げになってしまうことが考えられます。そう考えると部署毎という単位は、上長が指導しメンバー内で協力し合える最も現実的な適用単位のように思います。もう1つはネーミングです。単純に「ノー残業デー」とした場合、ネーミングからは単純にただ自分が早く帰るという発想しかでてきません。しかし「コミュニケーションデー」といったネーミングであれば、早く帰ったあとの家族とのコミュニケーションを想像する社員が増えます。人は自分のためよりも大切な誰かのために動くものです。そう考えるとこの「コミュニケーションデー」と言うネーミングは単純な「ノー残業デー」よりも効果が上がることが期待できそうです。時短に取り組む企業は多く、ノー残業デーは最も導入ハードルが低い取組の1つですが、適用単位やネーミングなど参考にしてみてはいかがでしょうか?


 このほかにも以下のリンクから愛知県各企業の取組みを確認することができますので、興味のある方は是非確認してみてください。


参考リンク

愛知労働局「愛知の「働き方改革」取組事例」
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/riyousha_mokuteki_menu/jigyounushi/jigyounushi_jouhou/hatarakikata-jirei.html

(中島敏雄

本記事および人事労務管理に関するご相談は社会保険労務士法人名南経営(名古屋駅 JPタワー名古屋33階)までお問い合わせください。
 
TEL 052(589)2355
  お問い合わせフォーム https://www.meinan.net/contact/

全国レベルでの最新情報は以下のメインブログおよび「労務ドットコムfacebookページ」をご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/roumucom/

http://www.facebook.com/roumu