愛知県内の監督指導及び申告処理状況が取りまとめられました
愛知労働局が平成2015年度において、愛知県内の14労働基準監督署(支署)が実施した監督指導の実施結果及び申告処理状況を次のように取りまとめました。
【監督指導】*1
実施した事業場数:5,653事業場
そのうち4,170事業場(73.8%)において、法令違反が認められる結果となりました。主な違反の内容は次の通りです。
労働時間:1,655件(29.3%)
例)時間外労働に関する協定届を未届のまま法定労働時間を超えて時間外労働を行わせていた
健康診断:1,106件(19.6%)
例)1年以内に1回の定期健康診断を実施していない
時間外労働等による割増賃金:800件(14.2%)
例)時間外労働、深夜労働をさせているのにもかかわらず割増賃金を支払っていない
【申告処理】*2
申告処理を行った件数:1867件
2016年と比較して48件増加しており、賃金不払事案が74.7%で事案のほとんどを占めており、次に解雇事案が10%を占める結果となりました。今回の結果から、どの事業場においても労働時間問題が一番の課題となっており、それに付随して未払賃金の問題が発生してしていることが想定できます。
2015年度の結果を踏まえ、労働基準監督署は2016年度に取り組むべきとして、「長時間労働の抑制および過重労働による健康障害防止の監督指導」を強化するとし、「解雇や賃金不払等の事案」については、労働者の生活に直結する問題であることから、解決に向けて迅速かつ的確な対応を図るとしています。指摘されるから改善するのではなく、従業員にとって働きやすい職場環境があってこそ会社の発展があるという観点で今一度見直してみることも良いかと思います。
*1:労働基準監督署が事業場に入り、調査・指導を行うこと
*2:労働者が労働基準監督署に対し、事業場の労働関係法令違反の事実を申立て、これを契機に事業場に立ち入りをし、事実を確認したうえで、違反が認められた場合は是正を図らせること
参照リンク
愛知労働局「平成27年度定期監督の実施結果」
http://aichi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/houdou/0402_001/_121217.html
(木村一美)
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