日中社会保障協定の締結に向けて第5回政府間交渉が開催されました

017 2016年6月6日から8日まで、北京において、第5回となる、日中社会保障協定(仮称)の締結に向けた政府間交渉が開催されました。

 日本本社に籍を残し中国へ出向する赴任者については、日本での社会保険加入に加え、中国の一部地域では、日本人を含む外国人への社会保障制度適用が義務化されているため、中国でも社会保障制度に加入しなければならず、社会保険料の二重払いが発生してしまうという問題が現状あります。

 この二重払い等の問題解消のために、日本と外国との政府間で締結されるのが社会保障協定です。この協定が日中間ではいまだに締結をされておらず、その締結に向けた政府間交渉自体も2012年3月の第3回開催を最後に長らく止まってしまっており、2015年11月にようやく交渉再開となったところです。

 今回の会合においては、詳細は明らかとされていませんが、特に、協定の適用の対象とすべき両国の社会保険制度や人の範囲について、集中的な議論が実施された模様です。

 日中双方は、協定の早期締結に向けて今後とも積極的に協議を推進していくことで一致しており、次回、第6回の交渉の具体的な日程等についてまだ未定ですが、今後、外交ルートを通じて調整がされていく見通しです。いずれにしましても、日本企業からすれば、早期の協定締結が実現することが望まれるところです。(佐藤和之)

<参考リンク>
外務省「日中社会保障協定(仮称)第5回政府間交渉(結果)」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_003376.html

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