働き方改革実行計画にみる外国人材受入れの今後

外国人材 日本の働き方改革の実現に向け、安倍晋三内閣総理大臣を議長とし、2016年9月から10回に亘って行われてきた「働き方改革実現会議」の結論として、2017年3月28日、「働き方改革実行計画」が示されました。この実行計画の中で、9つある重要テーマの一つとして挙げられているのが「外国人材の受入れ」です。

 「外国人材の受入れ」についての内容を見ると、基本姿勢としては、専門的・技術的分野の外国人材の受入れには積極的な姿勢を示していますが、いわゆる単純労働における受入れ拡大については幅広い観点からの検討を行うといった慎重な姿勢が示されています。

 また、具体的な施策としては、公正な人事評価制度など職場内の環境整備や永住者となりやすい日本版高度外国人材グリーンカードの創設、国家戦略特区の更なる活用、外国人介護福祉士の活用などが挙げられています。

 いわゆる単純労働への外国人受入れの拡大については、この実行計画ではまだ具体的な内容が言及されていませんが、日本の労働力人口の減少からすれば、議論の後、拡大されることが往々に考えられるため、今後の動向に注目しておきたいところです。

以下、働き方改革実行計画「外国人材の受入れ」より要約抜粋

<課題>
 ○専門的・技術的分野の外国人材の受入れは積極的だが、いわゆる単純労働での受入れは原則として認めていない。
 ○外国人が日本で生活しやすい就労環境の整備を進めていくことが必要。
 ○高度人材を惹きつけるためには、諸外国以上に魅力的な入国・在留管理制度の整備が必要。
 ○女性の活躍推進等の観点から家事支援人材の拡大が求められる。
 ○「強い農業」を実現するため、農業分野における専門外国人材の活用を図ることが喫緊の課題。
 ○大学等を卒業し、介護福祉士の資格を取得しても日本で介護業務に就くことができない。

<今後の対応の方向性>
 専門的・技術的分野の外国人材については、積極的に受入れるが、いわゆる単純労働における受入れ拡大については、幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ検討を進める。

<具体的な施策>
 ○外国人受入れの在り方の検討
 ○外国人のための生活・就労環境の整備
 ○高度外国人材の更なる活用
 ○国家戦略特区の活用
 ○外国人介護福祉士の活用

<参考リンク>
首相官邸「働き方改革実現会議」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/

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