フレックスタイム制に関する労使協定

フレックスタイム制に関する労使協定 フレックスタイム制を採用するにあたって求められる労使協定のサンプル。なお、フレックスタイム制については、協定を所轄労働基準監督署に届け出る必要はありません。
重要度:★★
官公庁への届出:不要
法定保存期間:特になし(協定期間)

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[ワンポイントアドバイス]
 フレックスタイム制は、1ヶ月以内の一定の期間の総労働時間を定めておき、労働者がその範囲内で各日の始業および終業の時刻を選択して働くことができる制度です。この制度については、昭和63年1月1日基発1号にその詳細が定められていますが、導入に際しては以下の6項目について、労使協定を締結することが求められています。
対象となる労働者の範囲
清算期間(1ヶ月以内)
清算期間内の総労働時間
標準となる1日の労働時間
コアタイムを定める場合はその時間帯
フレキシブルタイムを定める場合はその時間帯
 の注意事項として、始業・終業時刻の一方だけを委ねたり、フレキシブルタムの時間帯が極端に短い場合は、フレックスタイム制は認められません。

 時間外労働に関しては、清算期間の法定労働時間を超えた場合は割増賃金を支払い、併せて36協定の締結・届出が必要とされます。フレックスタイム制の場合には、36協定において1日について延長することができる時間を協定する必要はなく、清算期間を通算して時間外労働をすることができる時間を協定することになります。またフレックスタイム制で清算期間において実際の労働時間が所定労働時間よりも短かった場合、所定労働時間働いたものとして賃金を支払ったときには、不足時間分を翌月に清算することが認められています。

[根拠条文]
労働基準法32条の3
 使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定にゆだねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第2号の清算期間として定められた期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、1週間において同項の労働時間又は1日において同条第2項の労働時間を超えて、労働させることができる。
1.この条の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲
2.清算期間(その期間を平均し1週間当たりの労働時間が第32条第1項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、1箇月以内の期間に限るものとする。次号において同じ。)
3.清算期間における総労働時間
4.その他厚生労働省令で定める事項

[関連通達]
昭和63年1月1日基発1号
 フレックスタイム制を採用した場合に時間外労働となるのは、清算期間における法定労働時間の総枠を超えた時間であること。したがって、法第36条の規定による協定についても、1日について延長することができる時間を協定する必要はなく、清算期間を通算して時間外労働をすることができる時間を協定すれば足りるものである。
昭和63年3月14日基発150号
 フレックスタイム制の場合にも、使用者に労働時間の把握義務がある。したがってフレックスタイム制を採用する事業場においても、各労働者の各日の労働時間の把握をきちんと行うべきものである。

(福間みゆき)

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