試用期間中は社会保険や労働保険に加入しなくてもよいのでしょうか?

A 試用期間中であっても基本的には社会保険や労働保険に加入しなければならない。

1.試用期間
 試用期間とは会社が従業員を本採用するか否かを判断するため、従業員の業務における能力や適性を判断する期間のことをいいます。試用期間を設けることが法律で義務付けられているわけではありませんので、試用期間を設けなくても何ら問題はありませんが、多くの会社では採用選考だけで適性や能力等を見極めることが困難であると考え、本採用前に3か月程度の試用期間を設けることが一般的となっています。

2.社会保険の適用と適用除外
 社会保険の取り扱いに関しては、試用期間であっても基本的には通常の労働者と取扱いは同様であるため、加入要件を満たすのであれば、社会保険に加入しなければなりません。なお、社会保険においては、一部、適用除外者が定められているため、以下の適用除外者に該当する場合は試用期間か否かに関係なく、社会保険の加入はありません。
[社会保険の適用除外となる者]
・1か月以内の期間で使用される日雇労働者
・2か月以内の期間を定めて使用される者
・4か月以内の季節的業務に使用される者
・臨時的事業に使用され6か月を超えない者

 以上の適用除外の中で比較的事例が多い思われるのは、「2か月以内の期間を定めて使用される者」ですが、雇用期間が2か月以内であってもその後の雇用継続が当初から見込まれる場合は適用除外に該当しませんので注意が必要です。

 一方、雇用保険では1か月以内の期間で使用される日雇労働者、4か月以内の季節的業務に使用される者等は、適用除外者となっていますが、試用期間中の者は適用除外者ではありません。よって、その他の加入要件を満たす場合には、試用期間中であっても雇用保険に加入する必要があります。また、労災保険においては雇用形態に関係なく、すべての労働者が労災保険の適用対象者になるため、雇用保険と同様、試用期間中であっても労災保険の適用対象者となりますのでご注意ください。

(渡たかせ)