試用期間を延長することはできるか

A 就業規則に定めがあり、合理的な理由があれば認められる

1.根拠規定
 会社は社員を採用した後、その労働者の勤務態度や仕事の適格性を見て正社員として本採用するか否かを判断する試用期間を設けていることが通常です。しかし現実的には試用期間の間に欠勤が発生するなどして、正社員として採用の判断がつかないという場合もあるでしょう。このような場合、就業規則に根拠となる規定が設けられており、合理的な理由があれば試用期間を延長することが可能です。

2.試用期間の延長
 通常、解約権が行使されないまま試用期間が終了すれば、労働者は本採用されることになります。仮に試用期間が延長されることになるとすると、労働者にとっては本採用前の解約権が留保された不安定な状態が当初の予定よりも長くなり、試用期間の延長により労働者を不安定な地位に置くことになるため、試用期間の延長が無制限に認められるわけではありません。延長する場合でも、その通算期間が1年を超えるような設定は避けるべきでしょう。

(渡たかせ)