【速報】新型コロナ月額変更特例 64項目のQ&A公開

 2020年6月26日の記事「休業開始翌月から月額変更が可能に~新型コロナ 随時改定の特例が新設~」でご紹介したとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により休業した被保険者で、休業により給与が著しく下がった被保険者について、一定の条件に該当する場合は、通常の随時改定(4ヶ月目に変更)ではなく、特例により給与が下がった翌月から変更できる特例が設けられました。

 この取扱いについては、実務上、多くの疑義が出ていましたが、日本年金機構から「標準報酬月額の特例改定に係るQ&A」が公開されました。以下のとおり、実に64と多くの項目が取り上げられています。

【制度等について】
Q1 新型コロナウイルス感染症の影響による休業に伴い報酬が急減した者についての厚生年金保険及び健康保険の標準報酬月額の保険者算定の特例(以下「特例改定」という。)とは、どのような措置ですか。

Q2 特例改定は、どのような要件に該当した者が対象になりますか。

Q3 急減月とはどのような月ですか。

Q4 新型コロナウイルス感染症の影響により休業があった者が対象とされていますが、「休業があった者」とは、どのような場合をいうのでしょうか。

Q5 7月・8月に特例改定が行われた被保険者は、休業が回復した場合に、月額変更届の届出が必要とされていますが、「休業が回復した場合」とは、どのような場合を指すのでしょうか。(7)

Q6 なぜ、特例改定は4月以降に報酬が急減した方について、5月から8月の標準報酬月額及び保険料を対象としているのですか。

Q7 休業しているが、休業手当など給与は全く支給しておらず、従業員本人が新型コロナウイルス感染症対応休業支援金を受けている場合、特例改定の対象となりますか。対象となる場合、当該休業支援金はどのような取扱いとなりますか。

Q8 通常の随時改定と特例改定による改定月が同月になるような場合(両方の届出が可能な場合)、特例改定が優先することになりますか。

Q9 通常の随時改定の場合、健康保険は第2級の標準報酬月額の方が5万3千円未満の報酬月額となった場合、厚生年金保険は第2級の標準報酬月額の方が8万3千円未満の報酬月額となった場合は、1等級差でも改定に該当しますが、特例改定においても同様の取扱いとなりますか。

Q10 通常の随時改定の場合、最高等級の標準報酬月額であって、健康保険は141万5千円以上、厚生年金保険は63万5千円以上の報酬月額の者が、1等級低下する場合には改定に該当しますが、特例改定においても同様の取扱いとなりますか。

Q11 休業のため「給与計算の基礎日数」が17日未満となりますが、特例改定には該当しますか。

Q12 急減月以前の月(前2か月)についても、「給与計算の基礎日数」が17日以上必要ですか。

Q13 特例改定の対象に法人の役員等は含まれますか。

【申請について】
Q14 特例改定について、届出期限はありますか。また、遡及して届出は行えますか。

Q15 令和3年1月末は休日となっていますが、翌営業日(2月1日)に届け出た場合は対象となりますか。

Q16 要件に該当する場合、必ず届出しなければなりませんか。一部の対象者のみ届出することもできますか。

Q17 特例改定により改定された標準報酬月額はいつまで有効ですか。
Q18 給与の支払が翌月の事業所の場合は、支払日の属する月が改定月となりますか。

Q19 4月からの休業者と5月からの休業者がいる場合、まとめて届出することはできますか。

Q20 4月の給与で標準報酬月額が2等級以上下がったため、特例改定により5月改定を行いました。その後、5月の給与で更に標準報酬月額が2等級以上下がった場合、改定月を6月に訂正することはできますか。

Q21 5月を改定月とした特例改定の届出を行い、標準報酬月額の改定を行いました。その後、休業が解消し、8月から休業手当の支給から通常通りの給与の支給に変更された場合(固定的賃金の変動に該当)、月額変更届の届出は必要ですか。

Q22 複数月にわたって、特例改定の要件に該当した場合、改定月を選択することは可能ですか。

Q23 特例対象期間より前から休業手当を支給しており、休業手当に基づき通常の随時改定を行っていますが、更に休業により支給額が減額となり2等級下がった場合に、特例改定の対象となりますか。対象とならない場合に、通常の随時改定を取り消した上で、特例改定の届出を行うことは可能ですか。

Q24 2月に固定的賃金の変動があったことにより5月に随時改定を行った者が、4月に休業があった場合に、4月を急減月として5月の特例改定を行うことはできますか。

Q25 例えば、5月15日に資格喪失した者について、4月に休業があった場合に、4月を急減月として5月の特例改定を行うことはできますか。

Q26 例えば、4月に休業があり5月15日に退職した者が、そのまま継続雇用された場合には、4月を急減月とした5月の特例改定を適用することはできるのでしょうか。

Q27 なぜ特例改定は1回しか届出ができないのでしょうか。報酬が更に下がった場合には、2回目以降の届出も認められないのでしょうか。(14)

Q28 二以上事業所勤務被保険者が、一方又は双方の事業所において特例改定の適用を受けた時の手続きはどうなりますか。

Q29 届出の方法は通常の随時改定と同じですか。

Q30 改定対象者が多数となりますが、事業主の申立書は申請者1人につき1枚必要ですか。

Q31 健康保険組合への届出は必要ですか。

Q32 厚生年金基金への届出は必要ですか。

Q33 一般の被保険者と70歳以上被用者で手続方法に違いはありますか。

Q34 船員保険被保険者は、特例改定の対象となりますか。

【様式・記入方法・添付書類】
Q35 通常の月額変更届の様式で届出できますか。

Q36 届出の際、届出内容や本人の同意などを確認できる書類の添付は必要ですか。

Q37 従業員の同意は、書面で求めなければならないでしょうか。その際、所定の様式はありますか、任意の 様式でも 構いませんか。

Q38 従業員の同意書は、一人一枚ずつ記載いただく必要はありますか。その際、署名押印が必要ですか。

Q39 届出内容を確認できる書類や従業員の同意書を2年間保存することとされていますが、後日確認を求められた際に不備等があった場合には、特例改定が取り消されるのでしょうか。

Q40 令和2年4月以前から病気休業中の被保険者についても特例改定に該当しますか。

Q41 休業していないが、業績不振により、給料を大幅に引き下げた場合、特例改定の対象となりますか。

【報酬・等級低下】
Q42 3月の給与から休業により減額となっていますが、4月を改定月とすることはできないのですか。

Q43 特例により改定をした者について、改定月の翌月に通常の随時改定に該当する場合、届出しなければなりませんか。

Q44 テレワーク等を実施したことにより、基本給等は通常通り支払われますが、残業時間が減ったため、2等級以上報酬月額が下がることとなりました。この場合、特例改定の対象となりますか。

Q45 テレワーク等を実施したことにより、通勤手当等が支給されず、2等級以上報酬月額が下がることとなりました。この場合、特例改定の対象となりますか。

Q46 休業や出勤停止により、その間の賃金は全額支払われていませんが、この場合でも、特例改定の対象となりますか。

Q47 通常、報酬が支払われていない場合は使用関係がないとして被保険者資格は喪失するものと認識していますが、今回の特例改定については、報酬の支払がない場合であっても、資格喪失せずに最低等級の標準報酬月額で改定するのはなぜですか。

Q48 休業により報酬が支払われていない場合でも、最低等級の標準報酬月額により保険料を納付する必要がありますが、報酬を支払っていない従業員からの被保険者負担分保険料の徴収をどのように行えばよいですか。

Q49 休業により報酬が急減した月に、事業主から給与の前月以前分の遅配分の支給があった場合、特例改定を申請することはできますか。

Q50 特例改定において、事業主から報酬が支払われない場合でも、6か月分の通勤手当が既に支払われている場合は1か月分の金額を届書に記載しなければなりませんか。

Q51 固定的賃金(日給等の単価)は変更していませんが、特例改定の対象となりますか。

Q52 資格取得した月に休業となった者は特例改定の対象となりますか。対象とならない場合、提出した資格取得届の報酬を訂正することはできますか。

Q53 資格取得した翌月に休業となった者は特例改定の対象となりますか。対象とならない場合、提出した資格取得届の報酬を訂正することはできますか。

Q54 4月に入社した従業員が休業となる場合について、次のそれぞれのケースでは特例改定の対象になりますか。

【特例改定後の対応等】
Q55 特例改定を受けた場合、定時決定は必要ですか。

Q56 特例改定に伴い標準報酬月額が下がった被保険者からの被扶養者異動届があった場合、被保険者の収入は、決定している報酬は一時的なものとし、従前の報酬で扶養認定を判断してよろしいですか。

Q57 特例改定後、休業回復により通常の給与を支給することとなった場合には、月額変更届の提出は必要ですか。その場合に、今般の特例改定と同様の取扱いとなるのでしょうか。

Q58 特例改定後、休業回復により、固定的賃金(日給等の単価)の変動によらず標準報酬月額2等級以上上がることとなりました。月額変更届の提出は必要ですか。

Q59 6月取得者の場合は、令和2年度の算定基礎届の提出は不要ですが、その後通常の随時改定に該当しない場合、令和3年度の算定基礎届の提出まで保険料額は特例改定が適用されますか。

Q60 休業が回復した場合における随時改定の届出は、連続した3か月間すべてに報酬支払の基礎となった日が17日以上であることが必要ですか。一月でも17日未満の月があった場合は、どのようにすればよいですか。

Q61 7・8月に特例改定を受けた方について、支払基礎日数が17日以上となった場合に、休業が回復したとして、その後、連続した3月間の報酬に基づき、随時改定を行うこととされていますが、この上で、なお一時帰休の状況が一部解消されていなかった場合、一時帰休が完全に解消したことを契機に随時改定を行うことはできるのでしょうか。

【令和2年度定時決定】
Q62 定時決定において、今般の特例改定と同様の取扱いとなるのでしょうか。

Q63 7月又は8月を改定月として特例改定に該当した場合、算定基礎届の提出は必要ですか。

Q64 4~6月に休業で報酬の支払いがなく(ゼロ円)、特例改定を受けている者については、定時決定において、「従前の標準報酬月額」により決定されると思われますが、この場合の「従前の標準報酬月額」とは、特例改定による標準報酬月額となるのでしょうか。

↓「標準報酬月額の特例改定に係るQ&A」はこちらから!
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0625.files/QA.pdf


関連記事
2020年6月26「休業開始翌月から月額変更が可能に~新型コロナ 随時改定の特例が新設~」
https://roumu.com/archives/103544.html

参考リンク
日本年金機構「【事業主の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で著しく報酬が下がった場合における標準報酬月額の特例改定のご案内」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2020/0625.html

(宮武貴美)