医療機関の事例に見る人材確保策(1)育児支援

 「医療機関、とりわけクリニックはダイバーシティマネジメントの先端を走っている」という話を前回させて頂きました。地域の中で、絶対数の少ない医療有資格者を確保しなければ事業が成り立たないわけですから、多くの医療機関は知恵を絞りながら人材の確保に東奔西走しています。今回は、そういった医療機関の人材確保策のひとつである「育児支援策」をご紹介したいと思います。一般企業においても参考になる部分はあるのではないでしょうか。


 女性の多い医療機関という職場では、出産や育児への不安を抱えている職員も多いため、育児休業の実績があることは大きなPRポイントとなります。ただ、それでは決定的な優位性を出すことはできませんから、例えば以下のような施策を導入している医療機関があります。この制度の導入によって「人材確保が比較的容易になった」、「良い人材が確保できるようになった」という医療機関も実際に存在するほどです。
□職場復帰お祝い金制度
 雇用保険法に定める職場復帰給付金とは別に、同じ職場に戻ってきた場合に金品を授与する制度。出産退職を防止するのが狙いです。
□ファミリーサポート制度
 子供が急に熱を出すなどして家族に面倒を見てもらう場合、そのお礼として食事券等をプレゼントする制度。家族からの支援を受けることで安心して長時間勤務してもらうことが狙いです。
□保育料補助制度
 子供を保育園等に預ける場合の保育料の一部または全額を補助する制度。育児に不安を抱える人材を確保すると同時に、出産後に早期に職場復帰をしてもらうことを狙います。


 参考にしていただければ幸いです。


(服部英治)


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