東証第1部上場企業の労使が2007年の課題と考えている人事施策

東証第1部上場企業の労使が2007年の課題と考えている人事施策 昨日ご紹介した財団法人労務行政研究所の「2007年賃上げの見通し-労使、学識者352人アンケート調査」という資料には、賃上げだけでなく、関連事項についての調査結果も掲載されています。本日はその中から「2007年に課題・争点となる人事施策」という内容について見てみることにしましょう。


 ここでは以下の18項目の人事施策を挙げ、それぞれに対する関心度合いを労使に聞いています。そのランキングが以下の通り(経営側の関心度の高い順:括弧内は労働側の回答割合)となっています。これによれば、労使とも1)労働時間の適正管理、2)人材の採用・確保、3)メンタルヘルス対策をそのトップ3に挙げており、労使交渉における争点が絞り込まれている状況が見て取れます。一方、「時間外割増率の見直し」、「仕事と家庭の両立支援制度」、「技能伝承」の3項目については、労働側の回答に比べ、経営側の回答が少なく、労使の意識のギャップが大きい内容となっており、今春の労使交渉における大きな争点となる可能性が高いと予想されます。
1)労働時間の適正管理 89.6%(80.2%)
2)人材の採用・確保 87.4%(70.3%)
3)メンタルヘルス対策 83.7%(61.5%)
4)会社業績と連動した賞与原資決定 58.5%(54.9%)
5)仕事と家庭の両立支援制度 74.1%(53.8%)
6)技能伝承 70.4%(53.8%)
7)改正雇用機会均等法への対応 53.3%(51.6%)
8)社内部門業績を反映した賞与配分 39.3%(48.4%)
9)諸手当の改廃 52.6%(47.3%)
10)60歳超の雇用制度 57.8%(44%)
11)派遣・請負問題の改善 47.4%(39.6%)
12)退職一時金・年金制度の見直し 41.5%(34.1%)
13)時間外割増率の見直し 50.4%(29.7%)
14)福利厚生施策の見直し 40%(28.6%)
15)職種別賃金に基づく交渉 35.6%(27.5%)
16)パートタイマーの処遇改善 35.6%(26.4%)
17)定昇圧縮・廃止 19.3%(22%)
18)賃金カット・ベースダウン 19.3%(13.2%)



参考リンク
財団法人労務行政研究所「2007年賃上げの見通し-労使、学識者352人アンケート調査」
http://www.rosei.or.jp/press/pdf/200701.pdf
関連blog記事
2007年2月6日「東証第1部上場企業クラスの2007年賃上げ見通しは6,225円・1.9%」
https://roumu.com
/archives/50880838.html


(大津章敬)


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