平成21年度の国民年金・厚生年金の収支決算はいずれも赤字に
先日、厚生労働省から「厚生年金・国民年金の平成21年度収支決算の概要の公表について」という資料が発表されました。公的年金については年金記録問題もあり、数年前より国民の最大関心事のひとつになっています。日本年金機構のホームページでも年金記録問題への対応について「年金記録問題への取組状況と年金額回復の具体的事例」を1週間に1回程度情報公開をし、取り組みのアピールしているところですが、解決の道のりは遠いという印象が残るばかりです。
このような状況下で発表された収支決算には注目が集まっているところですが、結果としては厚生年金・国民年金ともに赤字という結果になっています。厚生年金の歳入については、国庫負担が基礎年金国庫負担割合の2分の1に引き上げられたことなどにより増加している一方で、保険料収入については被保険者数の減少や平均標準報酬月額の低下等で減少しているようです。歳出については、受給者数の増加に伴い、保険給付費が増加、基礎年金拠出金も増加しました。その結果、厚生年金は歳入380,079億円、歳出387,813億円となり、7,734億円の赤字となっています。
国民年金の歳入についても国庫負担が基礎年金国庫負担割合の2分の1に引き上げられたことなどにより増加している一方で、保険料収入については納付率の低下や被保険者数の減少等という大きな課題を抱え減少となりました。一方の歳出については、旧国民年金法による受給者数が減少したことにより減少はしているものの、歳入51,347億円、歳出53,598億円となり、国民年金も2,251億円の赤字になっています。
このような状態が続くことで、国民の公的年金への信頼はさらに低下し、悪循環を辿ることが容易に想像されます。やはり公的年金には抜本的な改革が必要なのかも知れません。
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2010年3月3日「昨年より更に悪化した国民年金保険料の納付率」
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参考リンク
厚生労働省「厚生年金・国民年金の平成21年度収支決算の概要の公表について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000j1pd.html
(宮武貴美)
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