年金記録の回復により支給されることとなった遅延加算金
数年前から大きな社会的関心事となっている年金記録問題ですが、これに関連した遅延加算金法が平成21年5月1日に成立し、平成22年4月30日に施行されました。この法律の施行により、年金記録の回復に伴って年金(時効特例給付)が支払われた方に物価上昇分の加算金(遅延加算金)が支払われることになりました。
これまでの流れを確認しておくと、まず平成19年7月に「年金時効特例法」が施行され、年金記録の訂正により年金が増額する場合には、時効により消滅した分(過去5年を超える分)も含め、本人または遺族へ全額が支払われることとなりました。しかしながら、これはあくまでも支給されていなかった年金額の支給です。これが、今回の遅延加算金法により、支給されていなかった年金(時効特例給付)を現在価値に見合う額になるよう計算し、物価上昇相当分を遅延加算金として支給されるようになりました。
この遅延加算金の請求申請ですが、遅延加算金法の公布日の前日である平成21年4月30日以前に時効特例給付が支給された人は請求手続が必要となります。一方、平成21年5月1日以降に時効特例給付が支給された人、または、これから支給される人は請求は不要となっており、自動的に手続が行われ支給が受けられます。なお、請求を行う必要がある人は、平成22年4月30日から5年以内に行う必要があります。
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参考リンク
日本年金機構「遅延加算金法の施行について」
http://www.nenkin.go.jp/main/system/index9.html
(宮武貴美)
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