老齢年金受給者の41.6%が年金からの年収100万円未満

年金受給者数 先日、厚生労働省から「公的年金加入者等の所得に関する実態調査の結果について」が発表されました。これは今後の公的年金制度についての議論のために、自営業者、被用者、非就業者を通じた横断的な所得に関する実態を総合的に把握し、その議論に資する基礎資料を得ることを目的として、平成22年11月から平成23年2月までに実施されたものです。この調査の中には、未納率が過去最低を記録し、問題となっている国民年金第1号被保険者の年齢階級別の1人当たり平均年収が集計されるなど、注目すべき数字がいくつかありますが、今回は老齢年金受給者の年収の状況について取り上げたいと思います。

 年収階級別老齢年金受給者数の分布をみると、「50万円超100万円以下」がもっとも多く全体の25.1%を占めており、その次に「50万円以下」が続き16.5%となっています。この結果、実に4割強の受給者が老齢年金の年収が100万円以下で生活をしていることがわかります(このほかに就業による収入がある人あり)。特に女性の年収状況は低く、150万円以下の者が8割を超える状況となっています。また、1人当たり平均年収は全体で189万円、男性は290万円、女性収は103万円という結果になっています。

 国民年金保険料の納付率が現状のまま続くと、将来の老齢年金が受給できなくなるほか、受給できたとしてもその額が低額になる可能性は高くなります。このような調査結果と合わせてみることで、現状の公的年金が更に大きな問題を抱えているということが分かります。 


関連blog記事
2012年7月9日「過去最低を更新した国民年金保険料の納付率」
https://roumu.com
/archives/51940500.html

参考リンク
厚生労働省「公的年金加入者等の所得に関する実態調査の結果について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002exks.html

(宮武貴美)

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