過去最低を更新した国民年金保険料の納付率

国民年金納付率 各種メディアでも取り上げられていましたが、先週、平成23年度の国民年金保険料の納付率が厚生労働省より発表されました。これによると平成23年度納の納付率は58.6%、前年度と比べ△0.7ポイントとなり、過去最低の納付率となりました。この要因としては、以下のような分析が行われています。
・納付率の高い高年齢者の割合が低下したこと
・市場化テストにおける対策が十分な効果を上げられなかったこと
・第3号被保険者不整合記録問題への対応

 確かに年齢階級別の納付率を確認すると、以下の通り、45歳未満の年齢階級で納付率が平均以下となっており、若年層にとって年金不信が広がっていることが想像されます。
 年齢階級   納付率
 20~24歳   50.05%
 25~29歳   46.13%
 30~34歳   49.63%
 35~39歳   55.57%
 40~44歳   57.06%
 45~49歳   59.42%
 50~54歳   65.16%
 55~59歳   71.83%

 これに対し、平成24年度の主な取り組みとしては、「未納者の属性に応じた収納対策の徹底・強化」、「市場化テスト受託事業者との協力・連携体制の強化」、「「歳入庁創設について~中間報告後の検討を踏まえた整理~」(平成24年6月12日社会保障・税一体改革関係5大臣会合)に基づき、今年度からの取組強化策の効果を見据えつつ、これまでの取組の成果・課題を検証した上で、申請主義の在り方も含めた保険料の免除制度の改善等の制度的な対応も視野に入れた更なる取組の強化について検討し、平成24年度中に結論を得て、必要な措置の具体化を図る。」等が挙げられていますが、納付率の低下が止まらない現状でどれだけ効果が出るかは不安なところです。

 これに関連し、今年の秋から拡大する国民年金保険料の後納について近日中にこのブログで取り上げたいと思います。


関連blog記事
2011年9月29日「順次施行されている年金確保支援法の概要」
https://roumu.com
/archives/51876572.html

参考リンク
厚生労働省「平成23年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002eiiw.html

(宮武貴美)

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