「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」に関する相談が増加
先日、厚生労働省から平成25年度に都道府県労働局雇用均等室で取り扱われた、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法に関する相談、紛争解決の援助申立・調停申請、是正指導の状況について取りまとめが行われた結果が公表されました。
男女雇用機会均等法等の全体の相談件数は81,141件となり、平成24年度の115,496件から、30%程度減少した結果となっていますが、労働者からの個別の相談内容等を見ると、近年の労働環境の変化を表した内容になっています。以下では今回の調査のポイントについて見ていきましょう。
男女雇用機会均等法に関する労働者からの相談
平成24年度からの増加数がもっとも多くなった相談は「婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い」であり、平成24年度に比べて269件増加の2,090件となっています。この背景には女性が婚姻、妊娠・出産を経ても働き続ける意思を表すことなどが影響と想像できます。
育児・介護休業法に関する労働者からの相談
育児休業(期間雇用者に関すること)の相談が394件で平成24年度に比べ25件増加しています。期間雇用者の育児休業取得に関する相談は、実務上でも増加しており、トラブルになりやすい項目だと認識する必要があります。
パートタイム労働法に関する是正指導
「通常の労働者への転換」が5,752件(24.1%)ともっとも多い結果となっています。今後施行される改正パートタイム労働法では、パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務が新設され、その具体的内容には「どのような正社員転換推進措置があるか」も例示されています。
非正規労働者の増加や、継続的なキャリアを希望する労働者の増加により、これらの相談は今後も増えると予想されます。再度、法律の内容を確認し、無用なトラブルを事前に防止していくことが企業には求められます。
関連blog記事
2014年5月8日「差別的取扱いの禁止を拡大する改正パートタイム労働法の内容」
https://roumu.com
/archives/52034912.html
参考リンク
厚生労働省「平成25年度 都道府県労働局雇用均等室での法施行状況の公表」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000047140.html
(宮武貴美)
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