労災保険 保険料率や様式変更など来年度以降の改正の概要

労災 2014年12月11日のブログ記事「来年度からの労災保険料率は平均で0.1/1,000引下げ予定に」で取り上げたとおり、来年度から複数の業種で労災保険率が変更される見込みになっています。また最近、かなり大きな注目を浴びているマイナンバーに関して、労災保険の様式を変更し、番号を記載するようになる予定です。これらに関しては、厚生労働大臣から労働政策審議会に諮問していましたが、先日、「妥当」という答申が行われ、今後、本格的に省令等改正に向けた動きが活発化されます。そこで今日は、その内容を再確認しておきましょう。
労災保険率等について
 労災保険率については、原則として3年に1度見直しが行われており、2015年度は該当の年度となるために見直しが行われます。また、建設業の請負金額に関する取り扱いも変更となる見込みです。
(1)労災保険率等の改定
[労災保険率の改定案]
・業種ごとの労災保険率の改定
 全54業種平均で0.1/1,000引下げ(4.8/1,000→4.7/1,000)
 (全業種中、引下げとなるのが23業種、引上げとなるのが8業種)
[第2種、第3種特別加入保険料率の改定案]
・一人親方などの特別加入に係る第2種特別加入保険料率を改定
 全18区分中、引下げとなるのが8区分、引上げとなるのが5区分
・海外派遣者の特別加入に係る第3種特別加入保険料率を4/1,000から3/1,000に引下げ
(2)労務費率の改定
・請負による建設の事業に係る労務費率(請負金額に対する賃金総額の割合)を改定
(3)請負金額の取扱いの改正及び労務費率の暫定措置の廃止
・請負金額には、消費税額を含まないものとする。
・賃金総額の算定に当たり、請負金額に108分の105を乗じている暫定的な措置を廃止

マイナンバーへの対応について
 マイナンバー法が施行されることに伴い、各種様式に個人番号および法人番号を記載する欄を各種様式に追加するよう改正されます。
(1)労働者災害補償保険法に基づく請求などの一部について、記載事項に個人番号を追加
(2)社会保障・税番号制度により必要な情報を取得できる場合、これまで提出を求めていた添付書類などが省略可能であることを明示
(3)労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則様式・厚生労働省関係石綿による健康被害の救済に関する法律施行規則様式の一部改正
(4)「保険関係成立届・労働保険事務等処理委託届・任意加入申請書」などについて法人番号を記載する欄を追加

 いずれも正式な省令改正までもう少し時間を経ることになりますが、あらかじめ変更になることは把握しておきましょう。


関連blog記事
2014年12月11日「来年度からの労災保険料率は平均で0.1/1,000引下げ予定に」
https://roumu.com
/archives/52058446.html

参考リンク
厚生労働省「労災保険料算出に用いる労災保険率の改定等を行います ~改正省令を平成27年4月1日に施行予定~」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000067690.html
厚生労働省「社会保障・税番号制度の施行のための労働者災害補償保険法施行規則等の一部改正を行います ~労働者災害補償保険法に基づく請求等の記載事項に個人番号の追加など~」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000068661.html

(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/

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