68.8%の企業 103万円が家族手当を支給する基準と回答
2015年12月17日のブログ記事「厚生労働省 女性活躍促進に向けた配偶者手当改革の検討会をスタート」で取り上げたように、家族手当(配偶者手当)の支給に関する議論が厚生労働省内部で行なわれています。その報告書案が先日公表され、「配偶者の収入による制限がある「配偶者手当」」については、配偶者の「就業調整」の要因となり、結果として女性の能力発揮の妨げとなっていると考えられることから、配偶者の働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる」と、提言されています。
これに関連し、企業が家族手当の支給や見直しを検討する場合には、他社がどのような基準で家族手当を支給しているかということがありますが、人事院が実施した「平成27年職種別民間給与実態調査の結果」に、この調査結果が掲載されています。
それによると、まず「家族手当制度がある」と回答した企業は76.5%となり、内、「配偶者に家族手当を支給する」という企業が90.3%に上っています。そして、「配偶者に家族手当を支給する」企業のうち、103万円を収入制限の額としている企業が68.8%、130万円を収入制限の額としている企業が25.8%となっています。
このような状況を考えると、収入が増えることで、単純に所得税の納付が必要となったり、社会保険料の負担が増えたりすることのみならず、家族手当が支給されなくなるということが、女性の就労を阻むひとつの要因となっていることが理解できます。社会環境が変化している中で、家族手当の目的を整理し、支給の必要性、支給額などを検討する時期が来ているのでしょう。
関連blog記事
2015年12月17日「厚生労働省 女性活躍促進に向けた配偶者手当改革の検討会をスタート」
https://roumu.com
/archives/52092209.html
参考リンク
人事院「民間給与の実態(平成27年職種別民間給与実態調査の結果)」
http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/minn/minnhp/min27_index.htm
厚生労働省「第3回女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会 資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000118659.html
(宮武貴美)
http://blog.livedoor.jp/miyataketakami/
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